22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

カテゴリ:サッカー > 視聴

ミッドウィークに鹿島アントラーズとの天皇杯準々決勝を控える中、3週間ぶりの公式戦は現時点でのベストな11人で臨みました。川崎の試合の入りは落ち着いていて、いくらかはリフレッシュできた様子がうかがえました。マルシーニョと周囲との連携も以前よりスムーズになっています。

ただ前半はミドルゾーンまでは順調にボールを運べるものの、清水の中盤とDFの間が狭いこともあり、フィニッシュにつながる攻撃は決して多くありません。ゴールに迫ったのは2本の直接フリーキックと旗手怜央のニアゾーンからの強烈なクロス、それに脇坂泰斗のコースを突いたシュートくらいでした。

結果、スコアレスでハーフタイムを迎えたため、後半はギアを上げてきました。ミドルレンジのパスを増やして揺さぶりをかけ、インサイドハーフの脇坂、旗手はより積極的に前に出ていきます。

戦う姿勢の変化がすぐさま結果に結び付きます。47分、ライン間に立った脇坂のクロスはファーに流れますが、拾ったマルシーニョは権田修一が迫るのを見てパスを選択。最後はレアンドロ・ダミアンがヒールで巧みに合わせてゴールを決めました。

先制したことで余裕が生まれ、前半よりもゴールに向かう意識が高まっていきます。また、ハーフタイム前は血気盛んでたびたびヒートアップしていた旗手も冷静さを取り戻していました。

試合を楽にするための追加点は奪えずにいましたが、ジェジエウ、谷口彰悟を擁する最終ラインは安定感抜群でピンチを生み出しません。チョン・ソンリョンが忙しかったのは、前半にカルリーニョス・ジュニオにミドルシュートを打たれた場面だけでした。

71分からは3ヵ月ぶりに大島僚太がピッチに姿を現しました。まだ100%のコンディションとは言えないかもしれませんが、随所に技術の高さを見せます。シーズン終盤に向かうチームにとって頼もしい背番号10が帰ってきました。

ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が切った交代カードは少ないものの、清水は残り少ない時間の中で1点を奪いに攻め込んできました。しかし、登里享平に代わって入った車屋紳太郎が左サイドで相手の攻撃をことごとく阻止して、事なきを得ます。

直後の試合で2位の横浜F・マリノスが敗れたため、連覇に王手がかかりました。夏場以降、追われる立場に苦しむ期間が長かった今シーズンですが、視界が開け、心理的には優位に立って戦いを進めることができます。


非常にタフな試合になりました。それでも完封勝ちを収められたのは、一時はやり繰りの難しかった守備陣が戦線復帰を果たして従来通りの厚みを持てるようになったからだと言えます。

前半は東京がやや構えて守ったため、後方でボールを動かすのはそれほど難しいことではありませんでした。ただ、相手のボックス内で決定的なフィニッシュにつなげられずにいました。

守備では縦への勢いのある長友佑都とアダイウトンのサイドで苦しめられ、時折、高萩洋次郎も絡んで攻められました。23分にはジェジエウのコントロールが大きくなったところをアダイウトンに奪われてピンチを招くシーンがありましたが、車屋紳太郎がカバーして失点には至りません。

膠着した中で前半終了間際にマルシーニョのパスを受けた登里享平がクロスを入れ、レアンドロ・ダミアンがジョアン・オマリの一歩前に出て頭で合わせます。ここのところ先制される試合が続いていただけに待望の先制点が生まれました。

ビハインドを背負った長谷川健太監督は、後半頭から永井謙佑を投入。チーム全体で永井を生かすサッカーを遂行してきました。ミッドウィークのヴィッセル神戸戦からスタメンをほとんどいじっておらず、疲労のたまっている川崎にとっては苦しい展開となります。

そこで鬼木達監督は63分に3枚替えを決行します。脇坂泰斗、レアンドロ・ダミアン、マルシーニョを下げて、谷口彰悟、知念慶、小林悠を送り込みます。谷口は橘田健人と並ぶ形で立ち、旗手怜央を左ウイング、家長昭博をトップ下に変更しました。

交代およびシステム変更を行っても東京の勢いは止められません。74分には永井に抜け出され、がら空きのゴールに蹴り込まれますが、ジェジエウが懸命に戻ってゴールラインを割らせません。

残り10分を切ると、登里に代えて山村和也が入りました。山村が中盤センターに立ち、車屋が左サイドバックへ、谷口がセンターバックにポジションを変えます。後方の戦力の充実がなせる業でした。

87分のディエゴ・オリヴェイラの決定機には車屋と山村が体を投げ出し、その後のシュートはチョン・ソンリョンが打たせません。

アディショナルタイムには相手陣内深いところでフィジカルの強い知念と家長でボールをキープ。コーナーキックではボックスの中に誰も入らず、逃げ切りのために時間を使います。

最後の最後まで油断のできないゲームでしたし、特に後半は川崎らしいボールを保持して相手を圧倒するサッカーができませんでしたが、小林も含めチーム全員が虎の子の1点を死守すべく体を張りました。90分間のシュート数は川崎の6本に対して東京は倍の12本でした。

5連戦をすべて勝利で終えた川崎。最高の結果を残し、次の清水エスパルス戦までは3週間ほど空くこととなります。


中2日の川崎と中4日の神戸。試合間隔に差がある両者の激突は、スケジュール的に有利な神戸が前半は主導権を握ります。川崎は相手にテンポよくボールを握られる時間を与えてしまいました。

また、ジェジエウと大迫勇也、レアンドロ・ダミアンとトーマス・フェルマーレンの後方と前線のマッチアップで優位に立てず、重要なエリアを制することができません。

そしてまたしても3試合連続で相手に先制を許す展開となりました。アンドレス・イニエスタの絶妙なロングパスを大迫が受け、ジェジエウを翻弄。ラストパスを出されて最後は武藤嘉紀に決められます。

川崎も旗手怜央がニアゾーンを取って角度のないところからパスではなくシュートを狙ったり、脇坂泰斗がミドルシュートを放ったりしますが、いずれもゴールには至りません。ボックスの中にいるレアンドロ・ダミアンにボールを集めることもできませんでした。

あまりいいところなく終わった前半でしたが、ハーフタイムでのメンバー交代、システム変更は行われず、スタメンの11人で圧力をかけてよりゴールへと迫りました。

すると積極策が実って2回のPKを獲得。マルシーニョの突破から得た1回目は家長昭博がポストに当ててしまいますが、2回目はレアンドロ・ダミアンが正面に蹴り込み同点に追い付きました。

川崎は武藤、大迫にいい形でボールを与えないプレーを続けながら、追加点を狙います。追い付いてから16分後の72分、山根視来がスピードに乗って上げたクロスに飛び込む旗手を意識したフェルマーレンのオウンゴールを誘発しました。

過去2戦より早い段階で引っ繰り返したことで、交代策にも余裕が出ます。疲れの見えるマルシーニョとレアンドロ・ダミアンを下げると、さらに山根、脇坂も下げて山村和也と谷口彰悟で中盤センターを形成する形に変更。確実な逃げ切りに向かっていきます。

85分には旗手のヒールパスを受けた家長のゴールが決まり、失点を過度に恐れることなく試合を楽に終えられる展開となりました。

こうして攻撃面での修正が奏功したのはもちろんですが、前後半に1回ずつあったイニエスタの決定機をいずれもチョン・ソンリョンが好セーブで凌いだ点も見逃せません。

真価が問われる5連戦は、4試合を終えてここまで全勝。残るはFC東京との多摩川クラシコです。


徐々に戦列を離れていた選手が戻っている中、今節は車屋紳太郎がスタメンで復帰。そのため、谷口彰悟をセンターバックではなく中盤で起用する形でスタートしました。

前線は知念慶、小林悠が2トップ気味に並ぶことが多く、全体の距離感も通常とは異なり、たびたびパスを相手に引っ掛けられていました。先制されたシーンも自陣でのボールロストをきっかけに、大橋祐紀にニアゾーンを取られて最後は田中聡に決められます。

前半の川崎にチャンスがなかったわけではなく、小林が切り返しをして放ったシュートは谷晃生に阻まれ、湘南サイドのミスに乗じたショートカウンターでは宮城天のシュートが枠を大きく外れてしまいました。

リーグ戦では約4ヵ月ぶりのホームゲームでしたが、待ちわびていたファン・サポーターの期待に応えているとは言い難く、リズムが悪いままハーフタイムを迎えます。

流れを変えるべく鬼木達監督は後半頭に一気に選手を3人交代します。サイドハーフ起用の遠野大弥、宮城、そして谷口を下げて、登里享平、マルシーニョ、橘田健人を投入。左サイドバックだった旗手怜央をインサイドハーフ、小林を右ウイングに置いて、システムを明確に4-3-3に変えました。

このところは違う形も使っていますが、ずっと親しんできた形に戻したことでパスがつながるようになります。車屋から縦に差し込むボールも増えていきました。

さらに65分に家長昭博を入れてチームに安定感をもたらしつつ活性化させると、直後に山根視来のクロスから旗手が同点弾を奪いました。

後半の飲水タイム明けは湘南が再び運動量を上げてプレッシャーをかけてきましたが、それにも怯まず戦い続けました。ただ、次の1点が取れないまま時間が経過していきます。残り時間が少なくなるとジェジエウを最前線に上げ、ペナルティエリア内の人数を増やしてゴールに迫りました。

がむしゃらな姿勢が実ったのは90+4分でした。家長が畑大雅を抑えながら完璧なクロスを放り込むと、それを足をつらせた知念が頭で押し込んだのです。

ミッドウィークの鹿島アントラーズ戦に続くドラマチックな逆転劇でした。この勝利によって残り8試合で2位の横浜F・マリノスとの勝ち点差が9に開きました。しばらく横浜FMの勢いに飲み込まれそうな苦しい状況だっただけに連覇への道が大きく開かれた格好です。


チームの総力で勝ち切る、勝負強い川崎が戻ってきました。難敵・鹿島を相手に先制を許しながら、残り10分を切ったところから試合を引っ繰り返して勝ち点3を獲得したのです。

中盤に推進力のあるディエゴ・ピトゥカを擁する鹿島に対し、川崎はジョアン・シミッチと橘田健人を横に並べ、旗手怜央をトップ下に配した4-2-3-1でスタート。立ち上がりこそ鹿島に圧倒されますが、次第にボールを握れるようになります。

ただ、後方に人数を割いていることもあり、前線の枚数が足らずにシュートまで至らない時間が続きました。逆に鹿島の安西幸輝には鋭いシュートを打たれます。ここはチョン・ソンリョンが適切に弾いてこぼれ球に詰められるのを回避しました。

ハーフタイムが明けると旗手と家長昭博のポジションを入れ替えますが、試合は鹿島に再び圧倒され、再三ペナルティボックスへの進入を許してしまいます。61分、右サイドで旗手が安西と対峙するもクロスを上げられ、登里享平の一歩前に出たファン・アラーノのヘッドで失点を喫しました。

67分、鬼木達監督は3枚代えを決行。前半に足を痛めていた登里、そしてシミッチとマルシーニョを下げ、小林悠、脇坂泰斗、宮城天を送り込みます。小林を右ウイングに置いて旗手が左サイドバックにポジションを移し、脇坂は通常より低め、橘田と並ぶような位置をとりますが、どちらかと言えば攻撃に軸足を置いています。

その後、知念慶をレアンドロ・ダミアンに代えて入れて2トップとし、鹿島ゴール付近でフリーキックを蹴る直前には山村和也を投入します。

すると脇坂の入れた完璧なボールに山村が頭で合わせて同点に追い付きました。交代策がはまった83分のできごとでした。これで試合の流れは川崎の方に大きく傾きます。

アウェイチームに引き分けでよしとする考えはなく、ひたすらに決勝点を狙います。小林がシュートを放ち、沖悠哉が防いだこぼれに知念が飛び込むなどそれまでなかったゴールに向かう迫力を見せ始めました。

それでも得点を奪えずにいた90+4分、宮城の無回転シュートが鹿島のゴールネットを強く揺さぶりました。ここまでことごとくドリブルを止められていた若武者がシュートを打つために右サイド寄りに流れて、自身のJ1初ゴールとなる貴重な1点を叩き出しました。

結果、消化試合数が同じ2位の横浜F・マリノスとの勝ち点差を7に広げることに成功。シーズン終盤に向けて弾みになる勝利を挙げました。


このページのトップヘ