22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

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リーグ戦は結果の出ない試合が続いていました。今節も勝ち点2を落としかねない展開になったものの、最後まで粘り強く戦って、勝利をもぎ取りました。

夏に加入したセサル・アイダルと河原創がスタメンに名を連ねて始まったこの試合、川崎は前節同様に序盤から仕掛けていきます。

相手を押し込んだ状態で波状攻撃を繰り出し、ゴールの可能性を高めます。11分、この日は左サイドバックを任された橘田健人が足を振ると、原田亘に当たって軌道の変わったボールがゴールに吸い込まれました。

攻めながら点が取れずに敗れた北海道コンサドーレ札幌戦とは違い、早くに先制することができました。

ただ、そこからさらに鳥栖を追い込む攻撃はできず、久保藤次郎と楢原慶輝の両ウイングバックを生かして攻める相手にしばしば苦しめられます。

富樫敬真のヘッドがクロスバーを叩き、西矢健人のミドルはチョン・ソンリョンを襲いました。一方、その間にファン・ウェルメスケルケン・際のクロスをエリソンが落とし、脇坂泰斗が合わせた得点はオフサイドの判定で取り消されましたが、ハーフタイムは無失点で迎えられました。

エリソンに代えて山田新を入れた川崎は、山田の馬力あるプレーで前進しますが、次の1点を取ったのはアウェイチームでした。

中途半端なクリアの連続でボックスからボールを出せずにいると、結果的に久保に押し込まれてしまいました。

直後のキックオフ、勢いを持って鳥栖陣内に進んだのは、大島僚太でした。この状況を打開しようとする強い意思を感じます。

その大島が、勝ち越し点につなげるプレーを見せました。入ったばかりの三浦颯太が倒されて得たフリーキックを、背番号10はすばやく始めます。

それを感じて動いた脇坂と家長昭博の落ち着いた判断により、再びリードを奪いました。

以降は交代を進め、立ち位置を変えて試合をまとめに入りますが、アディショナルタイムになる直前に三浦のハンドをとられてPKを献上。清武弘嗣に決められます。

引き分け濃厚の気配が漂う中でも、川崎はギアを上げて攻めました。橘田が三浦にボールを預け、マルシーニョに渡るとラストパスを供給。山田は合わせられなかったものの、キム・テヒョンに当たったボールは山田のもとに飛んできます。川崎のトップスコアラーは懸命に合わせてみせました。

90+10分の劇的ゴールです。三度追い付かれるわけにはいかないと、残り時間は攻撃の姿勢を見せつつ、小林悠の強烈なシュートで得たコーナーキックではボールをキープしました。

リーグ戦では多摩川クラシコ以来となる勝利です。暫定順位は11位に浮上。価値ある1勝です。






残留が、現実的な目標に変わりつつあります。降格圏にいる札幌に敗れ、苦境に立たされる格好となりました。

ファーストチョイスが固まってきた川崎は、珍しく立ち上がりから優位にゲームを進めます。相手の最終ラインの背後を狙いつつ、得意の細かいボール回しで打開を図りました。

奪われた後の即時奪回もできており、橘田健人や脇坂泰斗がボールを取ってすぐさま攻撃に転じました。

前半のうちに得点を奪えていれば、違う結果になったかもしれません。しかし、最初の45分に菅野孝憲を脅かすほどの決定機はつくれませんでした。

ゴール数を2桁に乗せている山田新も、この日は岡村大八に封じられ、持ち味の強さを発揮できずにいました。

札幌にあまりシュートを打たせないほど押し込んでいただけに、無得点でのハーフタイム突入は予期せぬ結果と言えます。

後半は札幌がシュートの意識を強め、スパチョーク・サラチャート、鈴木武蔵がチョン・ソンリョンを襲います。

川崎も大島僚太の展開からファン・ウェルメスケルケン・際がつなぎ、家長昭博のフィニッシュまで行きますが、菅野に阻まれました。

均衡が破れたのは71分でした。途中出場の中村桐耶がドリブルで逆サイドに進むのを、ファン・ウェルメスケルケンが持ち場を離れて追い掛けます。

ここで止められれば問題ないのですが、ボールはつながり、最後は空いていた川崎の右サイドに走った青木亮太にゴールを許してしまいました。

1点ビハインドの川崎は、79分に山田を残したまま小林悠とエリソンを投入。全員の矢印を前に向けさせる交代をします。

そこで意識が前に行き過ぎたか、直後にあっさりと追加点を許しました。青木のクロスは高井幸大の届かない軌道で、その向こうの鈴木の頭にピタリと合い、チョン・ソンリョンも反応できません。

苦しくなったアウェイチームは、以降の攻撃が空回りしてしまい、効果的なフィニッシュに結び付けられず、時間だけが経過しました。

結局、シュート数では圧倒しながら、1点も返せないで試合は終了。札幌相手に恒例の打ち合いに持ち込むことはできず、勝ち点1さえ取れませんでした。




激しい雨に見舞われると、次第にピッチ上に水がたまり始め、ファン・ウェルメスケルケン・際のクロスは失速。西川周作に難なく押さえられました。

また三浦颯太がドリブルを敢行するも、ボールは転がらずに自身はスリップ。相手に奪われます。

この厳しい状況で、渡邊凌磨に許した1点を追う川崎が、どう盛り返すかが問われるゲームでした。しかしハーフタイム中に後半開始時間の延期の発表後、最終的に中止となりました。

川崎は来月からAFCチャンピオンズリーグエリートを控えており、日程的にも険しい残り45分になることは間違いありません。

それだけに二度の決定機をどちらか得点につなげて、前向きなスコアで終わらせておきたかった前半でした。

一つはクイックリスタートでマルシーニョが抜け出した場面。ここはシュートを西川に止められます。

もう一つは、ピッチコンディションを念頭に置いてのファン・ウェルメスケルケンの浮き球を、家長昭博がそらし、山田新が合わせたシーン。この時はボールがポストを叩きました。

直後に家長が反応しますが、オフサイドポジションにいたため、ネットを揺らしてもゴールは認められません。

これから先につながる好材料としては、フィジカル勝負で劣勢だったこの日のチームの中で、山田が持ち前の当たり負けしない強さを見せた点です。

マリウス・ホイブラーテンにも怯まず突き進んだプレーは、チームに前進する力を与えます。

もう一点挙げるとすれば、大島僚太のボックス内への走り込みが目立った点です。

途中、コンディションが心配される時間もありましたが、大島は技術の高さを披露するのみならず、ゴールへの積極性も光りました。

スコアは1-0で浦和のリードながら、いい流れを保って次戦の北海道遠征に臨める45分でした。




嘆いても仕方ないとは思いつつ、結果として旅立った選手の多さを考えずにはいられないゲームでした。

瀬古樹と多摩川クラシコでベンチ外だった大南拓磨が海外移籍に向けてチームを離脱。さらにこの日はチョン・ソンリョンがベンチ外で、早坂勇希がスタメンに名を連ねます。

すでに上福元直人は湘南ベルマーレに移籍しており、25歳のGKに出番が回ってきました。

前半は立ち上がりこそF・マリノスの中央に人数をかけた攻撃に押し込まれたものの、次第に川崎がペースを握り返します。

好調の山田新、マルシーニョ、そして家長昭博がゴールに迫るも、ポープ・ウィリアム、畠中槙之輔、エドゥアルドを中心とした固い守りに幾度となく阻まれました。

佐々木旭の持ち上がりからパスを受け、フリーな状態から打った家長のシュートはポストを叩きます。

さらに後半開始直後、家長のクロスに合わせた山田のヘッドもクロスバーに嫌われました。

ここまで順調に相手ゴールまで進めた川崎でしたが、先制したのはF・マリノスでした。

後半になると最終ラインからのロングボールを織り交ぜつつ、川崎ゴールへの意識を強めたアウェイチームがPKを獲得。アンデルソン・ロペスが早坂の読みをも上回るコースに蹴って決めました。

2分後、今度は寄せの甘くなった一瞬の隙を西村拓真に突かれて強烈なミドルを食らいます。あっという間に2点ビハインドとなりました。

先に交代カードを切ったF・マリノスに対して、川崎が動いたのは71分。一気に3人を代えて主にサイドの梃入れを行います。

しかし、次の1点は相手に入りました。川崎が小林悠とエリソンを入れた直後のコーナーキックの流れで、途中出場の天野純のクロスを畠中が合わせて0-3になります。

山田とエリソンを最前線に配し、小林も右から絡む4-4-2とした川崎。89分に佐々木のクロスをダイレクトで合わせたエリソンが一矢報いるゴールを決め、アディショナルタイムが9分とわかると同点に追い付く可能性が膨らみます。

中盤に人がいなくなるほど前線に人数をかけ、攻めはしたものの、肝心の得点は奪えません。F・マリノスには時間をうまく使われ、タイムアップを迎えました。

シュート、コーナーキックの数では相手を上回りながら、連勝は3でストップ。エドゥアルドとバトルを繰り広げた山田も、フル出場しながら不発に終わりました。次節は高井幸大が出場停止と厳しさが増します。


煙で視界が悪かった間は東京に押し込まれましたが、晴れた後にペースを取り戻した川崎が完勝しました。

序盤はしきりにサイドからのクロスを浴び、さらにはディエゴ・オリヴェイラに決定機をつくられます。チョン・ソンリョンの好判断で失点は免れました。

その後は大島僚太、脇坂泰斗、家長昭博で時間をつくり、ゲームを落ち着かせて猛攻を回避します。

15分、マルシーニョがボックスで冷静さを見せてクロスを入れ、山田新が下がりながらのヘッドをゴールにねじ込みました。野澤大志ブランドンに触られますが、山田のシュートが勝ります。

流れをつかんだ川崎は、20分にもファン・ウェルメスケルケン・際のピンポイントクロスに山田が合わせてリードを2点に広げました。

この日はセンターバック陣の働きが光ります。オリンピックから戻った高井幸大はディエゴ・オリヴェイラを封じ、佐々木旭は一部軽率なプレーもあったものの、サイドバックでのプレー時に見せるような攻め上がりを披露しました。

ハーフタイム明け、東京が荒木遼太郎を入れ、攻撃の梃入れをしてきましたが、川崎は冷静に対処します。

鬼木達監督は56分の段階でマルシーニョを下げ、遠野大弥を投入。マルシーニョは前半終盤の攻撃局面で珍しく走らない場面があったので、小さなアクシデントがあったのかもしれません。

遠野は持ち味の積極性を見せ、コーナーキックでは脇坂のキックに完璧に合わせますが、惜しくもクロスバーに嫌われます。

試合を決める3点目が欲しい川崎にその瞬間が訪れたのは72分でした。やや遠目の位置からのフリーキックで、三浦颯太の鋭いボールに高井が飛び込んで決めました。高井は家長はじめ味方から手荒い祝福を受けます。

すでに4枚の交代カードを切り、攻めに出ようとしていた東京にとっては痛い失点でした。

川崎は逆にここから本格的な交代を進めます。はじめはトップ下を任された瀬川祐輔を筆頭に、新たに入ったフレッシュな選手が前からのプレスに尽力します。

終盤はチョン・ソンリョンのファインセーブが続き、相手にゴールを許しません。クリーンシートにつながる好守でした。

川崎はこれで3連勝。いずれの試合も3ゴールを記録しています。この先も難敵が続きますが、今のチームは勝つことで失っていた自信を取り戻しているように見えます。


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