22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

カテゴリ: サッカー

1点ビハインドの68分、鬼木達監督は4人同時交代を決行。中盤センターを当初からプレーする脇坂泰斗、山本悠樹に任せ、新たにサイドに遠野大弥、山内日向汰、前線に家長昭博、小林悠を配します。

この交代策が実って、勝ち点1を獲得しました。

立ち上がりは休養十分なガンバペースで進みます。デザインされたコーナーキックで宇佐美貴史がシュートを放ち、7分にはウェルトンがゴールを決めました。

スケジュール的に厳しい川崎は、機敏な相手に苦しめられますが、ホームチームとして徐々に攻撃の形をつくりだします。

ただ、ガンバは福岡将太、中谷進之介を中心とした真ん中の守備が固く、前半の川崎は決定機をつくれません。

メンバーを代えずに臨んだ後半。脇坂と山本による変化をつけたフリーキックで、ようやく最初の決定機をつくります。

山本の上げたボールをエリソンが落とし、山田新がそれに突っ込みます。至近距離に詰めていた一森純に止められはしたものの、可能性を感じる攻めでした。

この流れを加速させるべく投入されたのが、前述の4人です。

81分、この試合で多用していた後方からのロングボールが得点に結び付きました。丸山祐市の蹴ったボールを家長が落とし、左に流れた遠野がポケットから折り返すと、小林が福岡に競り勝って頭で叩き込みました。

感情を爆発させるゴールセレブレーションをすることなく、背番号11はボールを抱えてセンターサークルに向かいます。

鬼木監督が今シーズンでの退任を発表した直後のゲームだけに、同点で終わらせずに勝ちたい試合でした。攻撃に特化した川崎は、引き続き攻めます。

林大地らの3枚代えを行ったガンバ相手に怯まず戦ったものの、6分あったアディショナルタイムでも肝心の決勝点は生まれないまま、タイムアップとなりました。

先日のルヴァンカップ敗退のショックも、勝って払拭したいところでしたが、ともあれ黒星だけは回避しました。


早々に先制点を献上したものの、立ち上がりから状態のよかった川崎が鮮やかな逆転勝ちを収めた90分でした。

川崎は三浦颯太と脇坂泰斗によるデザインされたフリーキックで相手を脅かすなど、出足は上々でした。

それだけにロングボールを主体とした町田に、13分で試合を動かされたのは誤算でした。中島裕希の力強い一撃によるゴールです。

しかし、失点で簡単に怯まないのが、今の川崎です。28分に自陣右サイドのスローインを起点に山本悠樹が展開。マルシーニョのアシストを受けて、上がってきた三浦がゴールに突き刺しました。

その10分後には谷晃生のミスキックを脇坂が逃さず山田新につなぐと、山田は冷静なループショットを決めてみせます。ボールは望月ヘンリー海輝の頭上を超えてゴールに吸い込まれました。

後半、町田が頭から前線2枚を変えてきた矢先にエリソンがPKを獲得。これを自ら沈めてリードを広げます。

スコアの上で優位に立った川崎は、相手コーナーキックからカウンターを発動させて、怒涛の攻撃を見せます。この得点に対する貪欲さはタイムアップまで切れません。

とどめは三浦の折り返しにマルシーニョが合わせて1-4。勝利を決定付けました。

代わって入った遠野大弥、家長昭博、そして小林悠もチームの流れに沿ったプレーで、5点目を狙いにいきます。河原創のクロスは惜しくも遠野に合いませんでしたが、川崎は執拗に町田ゴールに向かっていきました。

高井幸大が逆転直後に負傷交代したのが非常に気がかりではありますが、チームとして充実した状態にあるのは間違いありません。

今年取れる唯一のタイトル、ルヴァンカップ制覇に向けても弾みとなる連勝です。




勝因は整理された守備でした。ハイプレスとミドルブロックを巧みに使い分けることで、ミドルパスを絡めた新潟の組み立てを制限しました。実際、高い位置で奪えたシーンが数多くありました。

先制点となるPKを獲得したのは、中盤での河原創のボール奪取からでした。また4点目の山田新のゴールは、エリソンのトーマス・デンに対する激しいチャージがそのきっかけです。

1点目から2点目までの4分という間隔の短さも、川崎に勢いをもたらしました。先制した流れで攻め立て、マルシーニョと河原が立て続けにシュートを放ち、それらは小島亨介に阻まれましたが、攻めの姿勢を貫いて、脇坂泰斗のフィニッシュにつなげました。

脇坂は家長昭博ほどフリーには動かないものの、得点に絡んだ時のように、右サイドにいるよりは隣のハーフスペースや中央にポジションを取る姿が目立ちます。

一方、この日の中盤では、ユーティリティな橘田健人が不在でしたが、4-4-2の中央に立つ河原が広範囲に気の利いたプレーを見せて、盛んにボールを刈り取ります。

先発起用となったエリソンはPKを決めたことで、プレーに落ち着きが見られ、オープンプレーでの強烈なフィニッシュに加え、2アシストを記録しました。

チームとしても個々としてもすばらしいパフォーマンスで今季初の5ゴールを挙げました。それだけに5人の交代枠を使い切った直後、太田修介に1点返されたのは、残り時間を考えてももったいない失点でした。

それまでは相手コーナーキック時の体を張った守備も光り、さらにはチョン・ソンリョンが谷口海斗の決定機を前後半で一度ずつ凌いだ場面もありました。

失点後は集中力を取り戻し、ゴールに向かう姿勢を再び見せました。三浦颯太のクロスに遠野大弥が合わせたシーンは、小島に阻まれます。

ルヴァンカップ準決勝の前哨戦でもある新潟戦を、5-1の快勝で終えられました。これから難しく大事な試合が続く中で、チームに大きな自信を与える一勝になったはずです。

公式戦2連勝で迎えたアウェイゲームは、相手の術中にはまって完封負けを喫しました。

立ち上がり3分に家長昭博の枠内シュートが放たれ、しばらくは川崎のペースで攻撃ができました。ここで1点を奪えずにいると、主導権が名古屋に移ります。

オフサイド判定で取り消された永井謙佑のゴールを皮切りに、今度は名古屋のターンに変わります。守備においては前からマンツーマン気味につくため、川崎はビルドアップに苦労しました。

飲水タイムをはさむと、川崎はビルドアップ時にボールを受けられるように中盤の動きを修正。しかし、打開策を見出しつつある中で、名古屋に先制されます。

副審の上げた旗が視野に入ったか、橘田健人が間合いを詰めずにいると、永井がボックス外で右足を振りました。ボールはチョン・ソンリョンの頭上を越えてネットに刺さりました。

流れの悪いところに前半アディショナルタイムには大島僚太が負傷交代を余儀なくされ、ファン・ウェルメスケルケン・際が送り込まれます。

1点ビハインドの後半、家長を軸に再び攻め立てた川崎。果敢にボックスの外からミドルを打ちますが、枠をとらえきれません。

そこで鬼木達監督は選手を代えます。脇坂泰斗とエリソンを入れ、4-4-2に変更。トップの数を増やして、中央の厚い名古屋を攻略しようとしました。

ところが、直後の67分、徳元悠平のスローインを高井幸大がかぶって弾き返せずにいると、流れたボールを永井がダイレクトで折り返し、それを受けた和泉竜司に冷静に決められました。

変化を加えた直後だっただけに、川崎にとってはダメージの大きな失点となりました。

その後は両サイドからのクロスを多用しつつ、ターゲットの増えた前線に合わせる形を増やしますが、ミッチェル・ランゲラックの安定した守りもあり、得点には結び付きません。

瀬川祐輔と小林悠を入れ、さらなる活性化を図っていた中で、今度はファン・ウェルメスケルケンが立て続けの警告により退場となりました。

2回目のファウルは、持ち場を離れて追ってのファウルでした。2節前、北海道コンサドーレ札幌戦で同じような形から最終的に失点を許したため、確実につぶしたかったのでしょう。それが仇となりました。

数的不利になった川崎ですが、得点を奪いに行く姿勢を見せ続けます。トータルで名古屋を上回る15本のシュートを放つも、一度もネットを揺らせませんでした。

健闘虚しく破れた川崎は、暫定ながら15位に転落。消化試合数が同じ18位のジュビロ磐田との勝ち点差はわずかに5です。




リーグ戦は結果の出ない試合が続いていました。今節も勝ち点2を落としかねない展開になったものの、最後まで粘り強く戦って、勝利をもぎ取りました。

夏に加入したセサル・アイダルと河原創がスタメンに名を連ねて始まったこの試合、川崎は前節同様に序盤から仕掛けていきます。

相手を押し込んだ状態で波状攻撃を繰り出し、ゴールの可能性を高めます。11分、この日は左サイドバックを任された橘田健人が足を振ると、原田亘に当たって軌道の変わったボールがゴールに吸い込まれました。

攻めながら点が取れずに敗れた北海道コンサドーレ札幌戦とは違い、早くに先制することができました。

ただ、そこからさらに鳥栖を追い込む攻撃はできず、久保藤次郎と楢原慶輝の両ウイングバックを生かして攻める相手にしばしば苦しめられます。

富樫敬真のヘッドがクロスバーを叩き、西矢健人のミドルはチョン・ソンリョンを襲いました。一方、その間にファン・ウェルメスケルケン・際のクロスをエリソンが落とし、脇坂泰斗が合わせた得点はオフサイドの判定で取り消されましたが、ハーフタイムは無失点で迎えられました。

エリソンに代えて山田新を入れた川崎は、山田の馬力あるプレーで前進しますが、次の1点を取ったのはアウェイチームでした。

中途半端なクリアの連続でボックスからボールを出せずにいると、結果的に久保に押し込まれてしまいました。

直後のキックオフ、勢いを持って鳥栖陣内に進んだのは、大島僚太でした。この状況を打開しようとする強い意思を感じます。

その大島が、勝ち越し点につなげるプレーを見せました。入ったばかりの三浦颯太が倒されて得たフリーキックを、背番号10はすばやく始めます。

それを感じて動いた脇坂と家長昭博の落ち着いた判断により、再びリードを奪いました。

以降は交代を進め、立ち位置を変えて試合をまとめに入りますが、アディショナルタイムになる直前に三浦のハンドをとられてPKを献上。清武弘嗣に決められます。

引き分け濃厚の気配が漂う中でも、川崎はギアを上げて攻めました。橘田が三浦にボールを預け、マルシーニョに渡るとラストパスを供給。山田は合わせられなかったものの、キム・テヒョンに当たったボールは山田のもとに飛んできます。川崎のトップスコアラーは懸命に合わせてみせました。

90+10分の劇的ゴールです。三度追い付かれるわけにはいかないと、残り時間は攻撃の姿勢を見せつつ、小林悠の強烈なシュートで得たコーナーキックではボールをキープしました。

リーグ戦では多摩川クラシコ以来となる勝利です。暫定順位は11位に浮上。価値ある1勝です。






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