22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

カテゴリ: サッカー

リスタートからの失点で、アジア制覇の道が絶たれてから4日。またしてもセットプレーからゴールを献上して、早々に開幕戦が動き出しました。

嫌な流れの中、川崎も三浦颯太の鋭いフリーキックを大南拓磨が頭で合わせますが、この決定機は富居大樹に阻まれました。

湘南の新たな形--4-4-2のコンパクトなライン設定に川崎は苦しみます。ミドルゾーンでボールロストするケースが多く、ビルドアップでうまく出口をつくれずにいました。

また山東泰山戦とほぼ同じスタメンで臨んでおり、過密日程による動きの重さも心配されます。

ゲームを振り出しに戻したのは、腕章を巻いた背番号14でした。脇坂泰斗の左足が炸裂し、ポストを叩いてゴールに突き刺さります。

ただ、追い付いて息を吹き返すには至らず、厳しい時間が続きました。コーナーキックをダイレクトで合わせた田中聡のボレーシュートは、チョン・ソンリョンが一歩も動けませんでしたが、クロスバーに当たって外れました。

ハーフタイムを終えると、ロッカールームで整理されたのか、徐々に川崎に崩しの形が増え始めます。

押し込む機会が増えた中で、56分に決勝点が生まれました。キム・ミンテが富居に下げた際、エリソンが猛烈にプレスをかけ、ボール奪取に成功。富居に体をつかまれながらも、エリソンは倒れることなくフィニッシュ。その屈強さがゴールに結び付きました。

以降は湘南のラインが下がり気味となり、川崎が比較的優位にゲームを進めます。

湘南の交代選手、鈴木淳之介のシュートが阿部浩之に触れてゴールかと思われたシーンは、VARの結果、阿部のオフサイドとジャッジされて救われました。

一方、ボックスまで攻め入っての脇坂のシュートは富居の手に触れてクロスバーを叩き、依然として1点差の状況が続きます。

終盤はホームチームが前方のサイドへのロングボールを主体に攻めてきました。川崎は家長昭博、橘田健人をはじめ、チーム全員の頑張りで凌ぎます。

アディショナルタイムに入ると、川崎は相手陣内でキープし、時計を進めるプレーを心掛けました。そして、AFCチャンピオンズリーグで受けた傷をさらに大きくすることなく、リーグ開幕戦を勝利で飾ったのです。


有観客で行われるゲームではありますが、プライオリティを考えると山東泰山とのAFCチャンピオンズリーグが勝る中、スタメン総入れ替えで臨んで勝利を収めました。

中国で好守連発のチョン・ソンリョンをはじめ、新キャプテンの脇坂泰斗、家長昭博らをベンチ外とし、3日後の再戦に万全の準備を整えた上での勝利は格別です。

前半は半ばまで個々の選手が持ち味を発揮しながら持ち堪えたものの、徐々に神戸に押し込まれる展開となりました。

大迫勇也が左右に流れるシーンが多く、両サイドバックの背後を突かれることが増えていきます。ただ、幸いにも得点を許さずにハーフタイムを迎えました。

後半頭から山東戦ではベンチ外だった三浦颯太を入れて改善を図ると、早々に得たセットプレーから先制します。

瀬古樹が蹴った鋭いボールを前川黛也が弾き、こぼれ球を山口蛍がクリアしたものの、そのすぐ前に立ちはだかったファン・ウェルメスケルケン・際に当たり、ゴールへと吸い込まれていきました。

ゲームが動いたことでリーグ王者の反撃が始まるかに思われましたが、勢いを増したのは先制した川崎の方でした。動きがよくなり、前向きなプレーが目立ちます。

その後、鬼木達監督はマルシーニョや橘田健人といったレギュラークラスを送り込みます。得点に関しては、瀬古のフリーキックがクロスバーを叩くなど追加点は奪えないものの、終盤のバフェティンビ・ゴミスの両ゴール付近での奮闘もあって逃げ切りに成功します。

川崎はすでに緊張感の高い公式戦を戦っていたという仕上がり具合におけるアドバンテージもあり、神戸を下してカップを掲げることができました。






120分戦ってもスコアはまったく動きませんでした。しかし、カップファイナルならではの緊張感の高さを保った一戦でした。

川崎にとっては我慢を強いられるゲームでした。特に前半は柏に押し込まれ、川崎はハーフタイム前の瀬古樹のミドル1本しかシュートを打てずに終わります。

チョン・ソンリョンのゴールキックをはじめ、ロングボールの多くを柏にキープされました。
またビルドアップ時も細谷真大と山田康太が、両センターバックに強くプレッシャーをかけてくるため前進が難しく、中盤から前の選手が効果的にボールに触れる機会が増えません。

押し込まれるならば跳ね返す攻撃を仕掛けたいのですが、単独でもカウンターを完結させられるマルシーニョはベンチにもいませんでした。

ただ、公式戦で完封勝ちを続けるチームは、継続して育まれた自信を持って守ります。

後半になると、橘田健人を筆頭に個人の打開で柏陣内に入っていきました。再開早々には幸先よくゴール前でフリーキックを得ますが、脇坂泰斗のシュートは枠を外れます。

枠内シュートは途中投入の遠野大弥によるものが初めてでした。川崎はたびたびポケット近辺まで進みますが、肝心のフィニッシュまで持ち込めません。

逆に柏には再三センターバックの背後を突かれ、ピンチを招きます。マテウス・サヴィオと細谷による攻めは脅威でした。ただ、シュートやその手前のボールコントロールが完璧ではないために事なきを得ます。

後半と同じエンドで再開した延長前半には最大の危機を迎えるも、細谷のシュートはチョン・ソンリョンが体を張って防ぎました。

この延長前半は家長昭博を中盤に下げて、遠野を右ウイングにしますが、大きな変化を生むことがなく得点も奪えません。

同後半にはそれを元に戻し、最後の交代として小林悠に代わってバフェティンビ・ゴミスがトップに入ります。

ラスト15分は山根視来のクロスからチャンスをつくり、ゴミスがそれに合わせます。枠をとらえたヘッドは松本健太に阻まれました。こぼれ球には家長が詰めるも実りません。

延長でも決着がつかないため、どちらに転んでもおかしくないPK戦で優勝チームを決めることとなります。先攻は川崎です。

2人目の瀬川祐輔のPKが止められましたが、やり直しとなり成功するなど、一喜一憂の激しいPK戦となります。

柏の4人目、仙頭啓矢のキックが枠を叩き、5人目のゴミスが決めれば優勝となるはずが松本に止められ、続く登里享平も止められますが、直後の片山瑛一もボールがバーを叩きました。

このままもつれにもつれ、10人目はチョン・ソンリョンが担当。厳しいコースに蹴り込みます。柏は同様に松本がキッカーを務めました。

チョン・ソンリョンはまだ一度もPKを止めていませんでしたが、このシュートは完璧にストップ。長い戦いに終止符を打ちました。

前回の優勝はコロナ禍の特別なレギュレーションで、参加チームも限定された上に準決勝からの参加でした。今回はシーズンを通して勝ち抜いての制覇です。

この大会を取れなければ、2シーズン連続の無冠となり、来秋からのAFCチャンピオンズリーグエリートへの出場も叶いません。

鬼木達監督が就任後、2021年シーズンまでは常に何かしらのタイトルを取っていただけに、空白期間を続けるわけにはいきませんでした。

こうした強烈なプレッシャーから解放された選手達の中には涙する者もいました。今季からのキャプテン、橘田健人もその一人です。この日も持ち前の激しさで相手ボールを狩るべく走り回りました。

公式戦はあと1試合、アウェイの蔚山現代戦が残っていますが、すでにAFCチャンピオンズリーグのベスト16入りは決めていますので、負傷者、退場者の続出した厳しいシーズンをいい形で締めくくれたと言っていいでしょう。



5日前にAFCチャンピオンズリーグのグループステージ突破を決め、一仕事終えた後であり、今週末には天皇杯決勝が控えているため、スタメンの大幅入れ替えが行われました。

加えてジョアン・シミッチ、レアンドロ・ダミアン、マルシーニョはベンチにもいません。

最初の30分は互いに失点を防ぎたい意識が強く、膠着した状態が続いて、ピンチには至らないものの川崎には珍しいミスも目立ちました。

それでも右から左に立ち位置を変えた宮代大聖がゴールに迫るシーンをきっかけに、相手ボックス内まで攻め込む機会を増やしました。ただ、小林悠のシュートも枠を外れるなど、得点には至らずにスコアレスで折り返します。

後半開始早々は鳥栖に深い位置まで侵入されますが、失点することなく乗り切りました。

流れが決してよくない中で、鬼木達監督は早めに動きます。まず瀬古樹と山田新、その後は家長昭博を投入。ピッチの中で全体のバランスを見ながら気の利いたポジション取りをできる選手が増えました。

それでも最後の最後で迫力を欠き、ゴールを奪えないまま時間だけが過ぎていきます。

81分に最後の交代を行い、大南拓磨とバフェティンビ・ゴミスが入って、ジェジエウと脇坂泰斗が下がったため4-4-2にシステムを変更しました。

前線中央の枚数を増やして再び押し込みだすと、ボックス手前でフリーキックを得ます。瀬古のキックは枠をとらえたものの朴一圭に阻まれます。

しかし、直後のコーナーキックで瀬古のニアを狙った鋭いボールを日野翔太がオウンゴール。川崎が待望の先制点を取りました。

アディショナルタイムには鳥栖陣内で時間を進めつつ、家長のアウトサイドでのラストパスにゴミスが合わせて追加点を狙います。ここは近くに立った朴に止められて加入後初ゴールとはなりませんでした。

それでも87分の1点を守り、公式戦3試合連続でチームは完封勝利を収めます。リーグ戦は全34試合を戦って14勝8分12敗。順位は一つ上がって8位でのフィニッシュとなりました。

この日は開始してすぐに登里享平が長沼洋一との接触で肩を痛めた際には緊張が走りました。しかし、プレー続行が不可能になるほど深刻な負傷者を出すことなく、ゲームを終えることができました。


ホーム最終戦となったこの日は、全員が最良の結果を目指して戦い、完封勝ちを収めました。

立ち上がりは鹿島ペースで進み、佐野海舟の巧みな突破もあったとはいえ、中盤で規制をかけられない場面が目立ち、川崎陣内でのプレーが続きました。

当然、前線の3人にボールが渡る回数も少なくなります。この段階で失点していれば、苦しいゲームになったでしょう。

しかし現実は前半の半ばから主導権を握り返します。徐々に鹿島ゴールに迫れたことで、本来の姿を取り戻しました。

34分、登里享平がスペースを狙って出したボールにマルシーニョが追い付き、ポケットからマイナスのラストパスを繰り出すと、レアンドロ・ダミアンがやや窮屈な状態ながらもそれに合わせて先制します。

1点取れたことで余裕が生まれ、ハーフタイムまでは落ち着いたプレーに終始しました。

後半は追加点を奪うべく、再びギアを上げます。瀬古樹の前線への関わりを生かして、2回連続で鹿島を脅かしました。

そこでは2点目を取れなかったものの、63分に左サイドに流れたボールに対してマルシーニョがあきらめずに走ったことでチャンスが生まれます。

マルシーニョは須貝英大がコントロールしきれなかったボールを奪い、最後はレアンドロ・ダミアンが冷静にゴールに蹴り込みました。

さらに優位に立った川崎ですが、交代はマルシーニョに代えて宮代大聖が入ったくらいで、残りの4枚のカードは87分まで切られませんでした。

4枚替えをする前に、レアンドロ・ダミアンが早川友基に倒されてPKを獲得。ハットトリックのかかった背番号9が蹴るかとも思われましたが、天皇杯準決勝での失敗以降、代わりにキッカーを任されている脇坂泰斗が担当します。確実に左に決めて3-0としました。

あとはクリーンシートで終わらせるだけでした。遠野大弥がディエゴ・ピトゥカのシュートコースを消そうと懸命のスライディングを見せるなど、全員の意識は統一されていました。

得点源である鈴木優磨にボックスの中で決定的な仕事をほとんどさせぬまま、試合をクローズします。最近は点を取れても打ち合いになることが多かっただけに、見事な締めくくりでした。










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