22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

カテゴリ: サッカー

前の試合から中3日でのゲームとなりましたが、大島僚太が外れただけで川崎のスタメンはほぼ同じでした。

開始20分はひたむきでがむしゃらな岡山に押されて、川崎はペースをつかめません。加藤聖のコーナーキックを起点に田上大地に打たれたヘッドは、山口瑠伊がかろうじて弾き出します。

苦しい状況で、唯一前線で優位に立てていたマルシーニョを使った速い攻めを繰り出すも、効果的なフィニッシュには至りません。

前半半ばになり、落ち着きを取り戻すと、空いている場所にボールを届けられるようになります。ただ、スベンド・ブローダーセンを脅かすシュートは打てずに時間が経過しました。

後半、右サイドバックの佐々木旭が前で攻撃に絡む場面が増え、ハーフタイムでの修正が見られます。相手ゴールに迫ろうとする意欲を感じさせます。

対する岡山は、ルカオが丸山祐市と三浦颯太を剥がす強さを見せて、盛り返してきました。ただ、最後の精度を欠いており、枠外シュートの数が増えるばかりで川崎としては救われます。

62分には長谷部茂利監督によって流れを変えるための3枚代えが行われ、家長昭博、大関友翔、山田新がピッチに入りました。

的確な交代が行われ、家長のキープ力を活かしながら前進し、岡山ゴールにも近付きますが、依然として絶好機をつくれません。

その後、宮城天、瀬川祐輔も新たに加わるものの、終盤になるにつれて川崎サイドに焦りの色が濃くなります。急いで攻めようとしてはミスにつながるプレーが多い状態でした。

残り時間が少なくなると、三浦が持ち前のスタミナを活かし、後方から果敢な上がりを見せます。それでも効果的なお膳立てにはなりません。

互いに決め手を欠いた試合は、スコアレスで終了しました。川崎は中位にとどまったまま、中断期間を迎えます。


橘田健人はおそらく、車屋紳太郎が下がっていくと考えたのでしょう。しかし車屋がボールを受けに下がらなかったため、いとも簡単にラファエル・エリアスに奪われ、ほぼ無人のゴールめがけて奥川雅也にシュートを決められました。これが、この試合唯一のゴールとなりました。

ミッドウィーク開催の前節は、ほとんどスタメンをいじらなかった長谷部茂利監督でしたが、サウジアラビア行きをかけた上海申花との連戦を控え、今節は先発メンバーを大幅に入れ替えます。

開始15分は京都の激しいプレッシャーを受け、後方からのロングボールすら蹴れません。自陣から出られない時間が続き、変化をつけたリスタートも許しますが、失点せずに乗り切ります。

相手のスピード、強度に慣れると、ホームチームは素早く、テンポよくボールを動かして打開を図るようになりました。緩いロングボールは使わないで、グラウンダーのミドルパスを多用します。

流れができたことで、山内日向汰のボックス外からの無回転シュートにもつながりますが、惜しくも枠を外れます。

こうして京都のチャンスを減らすほど押し返せた川崎。それでも得点は奪えないまま前半を終えます。

するとハーフタイムでエネルギーを回復させた京都に49分に先制点を献上する形となり、彼らにさらなる力を授けてしまいました。

ただ、直後の川﨑颯太が抜け出してのループは、シュートコースを消すべく出ていったチョン・ソンリョンのビッグセーブで凌ぎます。今季、公式戦初出場のベテランのおかげで、ひとまず傷口を広げずに済みました。

長谷部監督は60分を迎える前に3人同時交代を行います。2列目を総入れ替えし、ボールコントロールに長けた家長昭博と脇坂泰斗、そしてスピード豊かなマルシーニョが入りました。

この中ではマルシーニョのプレーに勢いがあり、たびたび相手を翻弄しました。佐々木旭の絶妙なクロスに入り込んでのヘッドは、残念ながら太田岳志に阻まれます。これが川崎にとっては今節最大の決定機でした。

以降もボールを保持しながら攻めていくものの、肝心のフィニッシュが枠を外れたり、枠に飛んでも力が弱かったりして得点に結び付きません。

最終的には橘田を下げて山田新を投入し、2トップにしましたが、事態は好転しませんでした。しかも京都はパトリック・ウィリアムを入れて、5バックに変更。きっちり逃げられてしまいました。

終盤、エリソンが負傷しながらのプレーを余儀なくされ、今後に向けての不安も残ります。

開幕からの公式戦の無敗はこれでストップ。次週はリーグ戦がなく、AFCチャンピオンズリーグエリートのファイナルステージ進出に専念することとなります。




長谷部茂利監督が昨シーズンまで指揮をとった福岡との対戦は、川崎の逆転勝ちに終わりました。

出足は比較的上々でした。しばしばボール奪取に成功するだけでなく、前節、シュートが少なかったのを踏まえてか、積極的に試合に入っていました。

早々に山本悠樹がボックス外からミドルを放ったり、後方からつないで、最後はこぼれ球に詰めた家長昭博のシュートがクロスバーを叩いたりします。

ところが、川崎ペースだったはずの15分、ゲームが動きます。秋野央樹のロングボールに反応したナッシム・ベン・カリファにニアを抜かれたのです。後方からのボールに抜け出してフィニッシュという、今の川崎がやりたい形を逆にやられてしまった格好です。

先制した福岡は球際の強さを見せ始め、構える際には5-4-1でセットするため、川崎としては崩す形が思うようにつくれません。

苦しい中で家長がファウルを受けて得たフリーキックをアウェイチームは活かします。開幕から好調の三浦颯太のお膳立てを家長が触り、ベン・カリファに当たってネットに吸い込まれました。

後半は最初の15分間に両者がそれぞれ決定機をつくりますが、互いのGKが好守を見せます。

そこからは2点目を狙って、ともに攻め合うオープンなゲームへと変わりました。川崎は山田新のハイプレスで小畑裕馬のミスを誘い、マルシーニョが拾うと、最後は脇坂泰斗が冷静に切り返してシュート。ただし、左足でミートしきれず小畑に難なく押さえられます。

直後、長谷部監督が動いて、佐々木旭、伊藤達哉、エリソンが同時に送り込まれました。

80分近辺ではホームチームに変化をつけたリスタートからゴールに迫られたものの、失点には至らず、逆に川崎が85分に勝ち越します。伊藤の完璧なアーリークロスにエリソンが頭で合わせてのフィニッシュでした。

残り時間が少なくなっても、アウェイチームは攻めの姿勢を崩さずにプレーし、実際、チャンスもありましたが3点目は奪えません。ただ、福岡に攻められる場面もありながら、同点弾を食らうことなく勝ち点3を獲得しました。







序盤にして過密日程の最中ということを考えると、ターンオーバーを行なっているとはいえ、アウェイで追い付かれてのドローはやむを得ない結果かもしれません。

試合は大半の時間で柏に押し込まれました。終始、両ウイングバックによるピッチの幅を生かした攻撃に手を焼きます。川崎は、前節の名古屋グランパス戦のように後半に盛り返して畳み掛けるには至りません。

前半は細谷真大のシュートを皮切りに、相手に立て続けに3回の決定機を与え、そのうち2回は山口瑠伊が防ぎ、3回目はポストに救われます。

川崎は後方からのロングボールを山田新が収められないシーンが多く、トップ下の脇坂泰斗が2本のシュートを放ったのみでハーフタイムを迎えます。

後半に入るとプレスの開始位置を再び高くし、前に出ていくことでゴールへの距離を縮めました。

50分、マルシーニョが相手のミスを逃さずにボールを奪って三浦颯太に渡し、三浦はボックス内に走ってきた脇坂に正確なクロスを供給します。脇坂はフリーで頭を合わせて先制しました。

リカルド・ロドリゲス監督はすぐに選手交代を行い、その際、右ウイングバック担当で出てきた久保藤次郎が同点弾のお膳立てをします。小泉佳穂にラストパスを送った久保には川崎の選手が誰も寄せなかったため、余裕を持って重要なパスを出させてしまいました。

川崎のリードはわずか7分でなくなります。

以降は、前半ほど相手のプレッシャーに苦しまされはしないものの、またしても柏に主導権を明け渡す格好となりました。

長谷部茂利監督は巻き返すべく、家長昭博、エリソン、宮城天といった前線の選手を続々投入。それでもボックスの中までは進めますが、肝心の最後の一振りができないまま、攻守交代する展開が続きます。幸い、柏にもビッグチャンスがなく、1-1のままスコアは動きません。

なお、家長と代わるまでプレーした伊藤達哉は、主に右サイドでアクセントになりました。マルシーニョのオフサイドのため取り消されたものの、ゴールネットを揺らす場面もありました。

川崎がかつて常備していた爆発力を発揮、維持するには、しばらく時間が必要となりそうです。


堅実な戦いぶりでした。守備時には素早く構えてパスコースを遮り、ビルドアップは自陣で無理をしないスタイルを貫きました。また、ベンチメンバーを見ると、DF登録の選手を多く入れています。

それでも終わってみれば4-0での快勝。在籍する選手はほぼ同じながら、長谷部茂利監督はじめ、コーチングスタッフが大きく変わった新生フロンターレの、ホームでの挨拶がわりとなるゴールラッシュでした。

前半はやや名古屋ペースで進みます。ボール奪取してからカウンターを仕掛け、最後は永井謙佑がポストを叩くシュートを放つ場面もありました。

川崎はまずは守備からという意識が感じられます。両サイドバックが上がって絡み、河原創のミドルに結び付けたのが前半唯一のチャンスでした。

エンドが変わり、川崎は相手陣内でサッカーをするようになります。徐々に名古屋を押し込み、マテウス・カストロの不用意なハンドで得たフリーキックを起点に先制します。

三浦颯太のキックに高井幸大が余裕を持って合わせてネットを揺らし、VARの介入はあったものの、最終的にゴールと認められました。

名古屋の長谷川健太監督は、川崎より先に交代カードを切って、勝ち点を取りに動きます。しかし、代わった選手が目立つシーンはほとんどなく、時間が経過していきます。

逆に川崎は、ハーフスペースを駆け上がる三浦にマルシーニョがパスを届け、山田新の得点につなげてみせます。

ホームの指揮官が77分に戦術的な交代を行うと、直後に勝利を決定づける1点が生まれます。この時の交代は、山本悠樹を下げて橘田健人を入れ、河原とセンターを任せて中盤を固める一方、山内日向汰も同時に投入するというものでした。

山内は積極的にゴール前に顔を出し、山田のシュートがバーに当たってこぼれたところ、落ち着いてフィニッシュ。プロ初ゴールを記録しました。

その後入った宮城天も、右サイドを抜け出した山内のラストパスにヒールで合わせてゴール。新体制で新たな競争が生まれ、チームが活性化されているように見えます。

名古屋には後半、チャンスらしいチャンスを与えず、川崎はクリーンシートで勝利。まずは幸先のいいスタートを切りました。




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