22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

カテゴリ: サッカー

今月に入ってからの川崎は、破壊力を持っていてかつ勝負強く勝ち点3を積み重ね続けていたころとは違うチームになってしまったかのようです。攻撃時のボール回しと守備時の人数をかけたプレッシャーの鋭さ。そういったよさ、凄味が失われつつあります。

先制して流れをつかみたかったはずのこの試合も、とりわけ開始10分は大分に振り回されました。遠いところに立つ選手が見えている大分に対し、思うようにプレスがかからず、決定機をつくられます。

チョン・ソンリョンの好セーブもあり、多少の盛り返しはあったものの、飲水タイムをはさんで中盤の並びを調整しても大きな流れは変わりません。ついにはハイボールの対応を誤った谷口彰悟が野村直輝を倒して一発退場。PKを決められてリードを許します。

この日はジェジエウが出場停止で山村和也はベンチにもおらず、やむなく守田英正が谷口のポジションに入りました。

後半頭からは田中碧と三笘薫を同時投入。数的不利な中でも得点を奪いに行く姿勢を見せます。

ロッカールームで切り替えができたのか、相手選手が近くに立っている厳しいところにもパスをつける川崎らしいプレーが何度も見られました。ただ、いかんせん1人少ないために攻めようとする選手間の距離はいつもとは違う長さになり、その微妙な違いがリズムを狂わせ、相手に簡単に寄せられて奪われてしまいます。

最終的に鬼木達監督は山根視来を下げてレアンドロ・ダミアンを送り込み、旗手怜央ないしは田中碧が右サイドバックのポジションを埋める形にしますが、慣れないリスキーな戦い方は奏功しません。ペナルティエリアに踏み込んでのシュートが思うように打てないまま時間が経過します。

前半に二度ボールロストした大島僚太が、珍しくクロスボールを供給するシーンもありました。また、三笘とレアンドロ・ダミアンの連携でオウンゴールかという場面もありました。それでもゴールは奪えず、同点に追い付くことすらできません。

次につながる光が見えないまま、大分に完封負けを喫した川崎。この日の優勝決定はなりませんでした。


やはり厳しい試合になりました。それでも最後の最後で得点を重ね、タイトル奪還に大きく近づきました。

開始30分ほどまでは完全に横浜FMペースでした。連動した動きですばやくボールを動かされ、守備では球際激しく、他チーム同様にアンカーの守田英正にはマルコス・ジュニオールが張り付いていました。バックパスにもアプローチをかけてくるため、ビルドアップでは余裕が生まれません。

苦しい中で選手の立ち位置を変えつつ、中長距離のパスを出して打開を試み続けたところ、飛び出して腕を出した高丘陽平の退場につながり、川崎が数的優位になります。

そこからは横浜FMの球離れが若干遅くなり、川崎の人数をかけてのプレッシャーが効果的になりました。マルコス・ジュニオールもポジションを移さざるを得ず、守田についてばかりではいられなくなります。

スコアレスで折り返したハーフタイム明け、鬼木達監督は大島僚太、三笘薫を送り込んで狭い局面の打破にかかります。この作戦は成功し、三笘がボックスに進入して先制点を奪いました。均衡を破るゴールにリザーブの中村憲剛、小林悠はベンチを飛び出して喜びました。

数的不利な横浜FMは怯まずに攻めの姿勢を貫いてきました。ジュニオール・サントス、エリキの2トップにトップ下に戻ったマルコス・ジュニオールが絡んで襲い掛かります。さらにアンジェ・ポステコグルー監督は喜田拓也に代えて天野純を送り込みます。

人数のギャップを感じさせないコーナーキックで、横浜FMは同点に追い付きました。チョン・ソンリョンがエリキにブロックされたアンラッキーな場面でしたがファウルは認められず、畠中槙之輔の得点となります。

その後、川崎は比較的優位に試合を運びながら、高丘の代わりにゴールを守るオビ・パウエル・オビンナの好セーブに阻まれて今シーズン初の3戦勝ちなしという事態に陥りかけます。

救ったのは次の試合出場停止となったジェジエウでした。90分、セットプレーの流れで上がっていた背番号4はゴールへの執念を見せてねじ込みます。

アディショナルタイムには小林がPKを失敗したものの、ラストプレーで登里享平のクリアを拾った三笘が自陣ペナルティアーク手前からドリブルをスタート。相手ゴール前まで運び、冷静に右足アウトサイドで小林の正真正銘の追加点をお膳立てしました。

これで次の大分トリニータ戦に勝てば優勝が決まることとなりました。例外的な難しいシーズンを笑顔で終えるまであと一歩です。


3分、合わせるボールを入れられる位置・距離のフリーキックで直接入れず、大外に開いた家長昭博を使って右サイドからクロスを入れる形にして谷口彰悟の決定機をつくるなど、セットプレーでは前の試合から中10日の成果を見せました。しかし、全体としては北海道コンサドーレ札幌戦から十分に復調したとは言い難い出来でした。

得点にしても、ファン・アラーノの中途半端なバックパスがきっかけでした。ボールを奪った脇坂泰斗がドリブルで運び、並走する三笘薫と2人で奈良竜樹を惑わせて決めたシュートは見事でしたし、チームが好調なシーズンにあって十分な結果を残せずにいた脇坂のゴールは大きいですが、これほどの幸運は容易には訪れません。

川崎は終始、三竿健斗、レオ・シルバを筆頭とした鹿島の激しい守備に苦労します。この日、守田英正に代わってアンカーを任された田中碧は狙われ続け、後方で数的優位をつくるべく両センターバックの間に下がった際にもピンチを招いてしまいました。

また中村憲剛が上田綺世、三竿健斗にフィジカル勝負で当たり負けするなど、ミドルゾーンでも簡単には自由を与えてくれませんでした。

ボールをすばやく動かして相手を翻弄するのが川崎の長所ですが、そこまでのボールスピードを出した攻撃が繰り出せないでいました。

三笘を中心に攻めるようになった後半の決定機は、レアンドロ・ダミアンのクロスを沖悠哉が弾き、こぼれ球に中村憲剛が詰めたシーンしかありませんでした。そのほかのシュートチャンスはボックスの外が大半で、ゴールの確率を高める攻めには思うようにつながりません。

逆に鹿島には広瀬陸斗からのクロスでチャンスをつくられます。同点弾は遠藤康の絶妙なフォローから広瀬が入れたボールにエヴェラウドが合わせ、チョン・ソンリョンが阻んだもののこぼれ球を押し込まれて決められました。

厳しい戦いを勝ち切ることができずに終わったゲームではありますが、連敗は回避し、勝ち点1を獲得しました。また、大島僚太、長谷川竜也がともにベンチ入りを果たすだけでなくピッチに立ってプレーすることができました。優勝に向かって、さらには初の天皇杯制覇に向かって頼もしい2人が帰ってきたのです。

札幌戦、そしてこの日の鹿島戦と運動量豊富なタフな相手に苦戦しており、ミッドウィークの横浜F・マリノス戦も苦しめられる可能性が低くありません。そこでどれほどの力を見せられるかが大いに問われることとなります。


3日前の多摩川クラシコで燃え尽き、一息ついてしまったかのようなパフォーマンスでした。前線から出足のいい札幌に圧倒され、これまで唯一の負け試合だったアウェイの名古屋グランパス戦よりも悪い内容で完敗しました。

序盤にチャナティップ・ソングラシンを中心に決定機を3回つくられはしましたが、前の試合も三田啓貴の開始早々のシュートを防ぐ流れがあり、同じようにそこから川崎が盛り返すかに思われました。

しかし、前半はミドルゾーンから先に進むことが難しく、苦しい中で山根視来がドリブルで右サイドから中央にボールを運ぶなどアクセントをつける動きをしたものの、最終的にゴールに近づく決定機はつくれませんでした。

悪い流れを断ち切り、先手を取るべく鬼木達監督はハーフタイム明けに脇坂泰斗、旗手怜央を下げて、田中碧、三笘薫を送り込みます。下がった旗手はFC東京戦に出場しておらず、フレッシュな状態でありながら十分な働きができませんでした。

田中碧が入って中盤の守備面が向上したかに見えました。ただしそれは一時的なものでした。

61分、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は屈強なFWアンデルソン・ロペスとドウグラス・オリヴェイラを同時投入します。川崎に怯むことなく攻撃に出るというメッセージでした。

この采配が札幌にとっては見事に的中した形となり、川崎にとっては痛恨の展開になります。守田英正、田中碧が立て続けに中盤でボールを奪われ、ショートカウンターを食らい連続失点したのです。失ってはならないエリアでのボールロストによって数的不利になり、防ぎようのないゴールを奪われました。

鬼木監督はたまらず残りの交代枠を一気に使い切ります。休ませていた登里享平、中村憲剛、さらにレアンドロ・ダミアンに代えて宮代大聖をピッチに立たせました。

多少の焦りも感じられる中、札幌ゴールに襲い掛かる川崎。しかし、菅野孝憲が立ちはだかるゴールをこじ開けることはできません。1点も奪うことなく、時間は刻一刻と過ぎていきます。

5分与えられたアディショナルタイムも生かせず、札幌にリーグ戦では初めての黒星を喫しました。

1敗したことで、連勝が止まったことでタイトルレースにおける川崎優位の状況に大きな変化はありません。ただ、悪い流れを引きずらないよう、次の試合までの10日間で心技体を立て直す必要があります。


約2週間前と同じスタメンで臨んだ川崎は、その名古屋グランパス戦同様に圧倒的な力を見せつける90分とはなりませんでした。互いに決定機をつくる好ゲームになったのです。

東京は特に守田英正に狙いを定め、ビルドアップ時にはレアンドロと永井謙佑でパスコースを封じ、また川崎の攻撃時にも一旦落ち着かせるため守田に下げるボールを果敢に奪いに出ました。

他の局面でも相手の球際激しい守備に手を焼いた川崎ですが、狙われていた守田が流れを変えます。いつものように低いボールを中心にしていた中、やや東京のマークが甘くなったところで背番号6はゴール前に浮き球を供給します。

ボールは再三ハイボールを要求していたレアンドロ・ダミアンのいる方へと向かって飛び、渡辺剛が落下点に走ろうとするレアンドロ・ダミアンを倒してPKを獲得。家長昭博が冷静に決めて先制します。

先制後の約20分間は、川崎がゲームを支配します。攻撃から守備への切り替えは速く、3、4人で一気に襲い掛かってボールを回収してみせ、東京陣内で試合を進めました。ただ、追加点を奪うことなくハーフタイムを迎えます。

エンドが変わると東京は3バックにシステムを変更。重心が低くなりがちな形ですが、常に縦に強い攻撃を武器に持っている東京はより積極的に出てきました。結果、ウイングバックで幅を取り、サイドハーフから中にポジションを移したディエゴ・オリヴェイラによって同点に追い付いたのです。

川崎は逆襲に転じるものの、東京の好守に阻まれて勝ち越し点が奪えません。悪い流れを断ち切るために5人の交代枠を有効活用する手もありましたが、鬼木達監督は先発の11人に託します。

すると74分、川崎にとって劇的なゴールが生まれました。この日、40歳の誕生日を迎えた中村憲剛が決めたのです。

中村憲剛は一旦三笘薫にボールを預けた後、リターンをもらわない風な様子で立ちながら、三笘が中村拓海に勝負を挑んだところでゴール前に進出。レアンドロとアルトゥール・シルバを出し抜いた後は微妙にポジションを変えて、シュートを打てる態勢を整えてフィニッシュ。波多野豪は手ではなく、頭で弾き返そうとしましたが及びません。

欲しかった1点を取ったところで中村憲剛はお役御免となり、脇坂泰斗と交代。アディショナルタイムに入るまでそれ以外のメンバーが代わることなく戦いました。

6分の追加時間を乗り切り、タイムアップをキャプテンの谷口彰悟はガッツポーズを見せます。ルヴァンカップ決勝行きを阻まれたライバルに勝ち切った喜びを表しました。

次は中2日で北海道コンサドーレ札幌戦があります。今度の週末には試合がないとはいえ、名古屋戦と同じようにスタメンを引っ張って戦ったので、メンバーを入れ替えてのゲームとなりそうです。


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