22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

カテゴリ: サッカー

ロースコアでの決着となりましたが、川崎は山本悠樹の一撃を守って確実に勝ち点3を獲得しました。

前半は決定機と呼べる場面はつくれませんでした。アディショナルタイムに山本の絶妙なスペースへのパスを走って受けたマルシーニョが、ボックスに侵入して堪えるも、フィニッシュまで持っていけずにクリアされます。

ホームチームも同様に決定機はなく、山根永遠のシュートは懸命に下がった大島僚太がブロックしました。

ゲームが動き出したのは後半に入ってからでした。横浜FCが早々にチャンスをつくります。

川崎陣内まで入った福森晃斗のサイドチェンジをユーリ・ララがつないで、最後は駒井善成がフィニッシュ。ボールはクロスバーに当たります。

その後も鈴木武蔵が積極的にミドルを打つなど、横浜FCペースで推移しました。

その中で58分、山口瑠伊のロングキックが中盤でユーリ・ララの頭に当たるも、拾った山本がドリブルを開始。細かいタッチではないものの、巧みに空いたスペースにボールを運び、最後は冷静にゴールへと蹴り込みました。

劣勢でしたが、スコア上は一歩前に出ました。

まもなく大島が下がって河原創が入り、守備強度を高めます。これは大島のプレータイムが最初から60分に設定されていたからかもしれません。

リードして落ち着いた川崎に対し、横浜FCは点を取りに動きます。前線やウイングバックを代えて攻めに出てきました。

福森の正確なコーナーキックに室井彗佑が合わせたシーンは、またもクロスバーを叩きます。川崎は二度バーに救われた格好です。

終盤になるとルキアンに代わって入っていた櫻川ソロモンにボールを集めてきますが、川崎は集中したディフェンスで得点を許しません。

激しい雨の中、冷静にボールを動かして最後まで1点のリードを保ちました。

中断前のサンフレッチェ広島戦に続き、アウェイで連勝しながらも暫定順位は一気には上がりません。それでも徐々に上も見えてきました。一歩ずつ着実に勝ち点3を重ねたいシーズン後半です。




またしてもドローに終わるかと思われたゲームでしたが、佐々木旭がアディショナルタイムに値千金の決勝点を奪って勝ち切りました。

今週はミッドウィークの試合がないため、川崎の選手は最後まで動けていました。特に後半の動きは鋭さがありました。

前半の川崎は、荒木隼人を中心とした広島の固い守備に手を焼きます。単純なクロスでは難なく弾かれてしまいます。

佐々木旭の絶妙なラストパスに家長昭博がダイレクトで合わせた場面も、マルシーニョがボックス内深いところでドリブルを仕掛けて放ったシュートも、大迫敬介に阻まれました。

広島の枠内シュートに対しては、同点に追い付かれるまで山口瑠伊がことごとくセーブ。安定したパフォーマンスで川崎ゴールを守っていました。

後半に入ってからは、川崎の中盤の守備が強化されます。先制のシーンも、河原創のボール奪取を起点としており、山田新のシュートはブロックされたものの、セカンドボールを活かしてマルシーニョの得点に結び付けました。

しばらくは山田のプレスバックが奏功して攻撃に転じる機会が生まれるなど、リードした川崎のペースでした。しかし、追加点を取れずにいるうち、選手交代を進めた広島に主導権を譲り渡してしまいます。

川崎はファン・ウェルメスケルケン・際がハムストリングを負傷。田邉秀斗が代わりに入って、少ししてから佐々木旭とポジションを入れ替えました。

広島の枠内シュートが際どくなりだし、苦しくなった中で、リスタートから同点にされます。最初のプレーは凌ぎましたが、中村草太のクロスをジャーメイン良が合わせ損なった時、川崎の選手の足が止まります。その隙を突いた荒木に押し込まれました。

再び点を取りに攻めた川崎は、中盤でフリーキックを与えられ、徐々に広島陣内へと進みます。そして得たコーナーキックを活かします。

大関友翔のキックを高井幸大が頭で合わせ、こぼれたボールを佐々木旭が蹴り込みます。ジャーメインに当たったボールはネットへと吸い込まれました。

川崎は劇的な勝利で3試合ぶりの勝ち点3を獲得。順位に大きな変化は見られませんが、5連勝中だった広島にアウェイで勝てたことは、チームにとって大きいはずです。






ミッドウィークは浦和レッズ相手にラストプレーで失点を喫した2-2でしたが、今回は反対に逆転されながら追い付いての2-2でした。

エリソンがその浦和レッズ戦でファン・ウェルメスケルケン・際と交錯して負傷したため、この日は小林悠が最前線に起用されます。

ギラギラした感情を隠そうとしないベテランストライカーは、開始からひたむきにゴールを狙いました。

家長昭博のパスにダイレクトで合わせたり、ドリブルで長距離を運んだ佐々木旭のパスを左足で狙ったりしますが、ゴールには結び付きません。

川崎の先制点はコーナーキックからでした。山本悠樹のキックを佐々木が頭で合わせ、ファーに流れたボールをマルシーニョが仕留めます。

ただ、連戦最初の鹿島アントラーズ戦同様、先制後に攻め入る流れをつくりながら、追加点を奪えないうちに相手に主導権を明け渡してしまいました。

前半終了間際の満田誠のシュートはポストを叩きはしたものの、それをきっかけとしたガンバの勢いはハーフタイムを挟んでも途切れません。

53分には山本が自陣で満田につぶされた後、ガンバボールになり、最後は河原創が宇佐美貴史にボックスでかわされてフィニッシュを許します。

アタッキングサードでの宇佐美の輝きが増すと、今度は60分に鋭いラストパスで山下諒也のゴールをお膳立てしました。

長谷部茂利監督は逆転される前に3人同時交代を行うも、アウェイチームの勢いを止められません。

それでもさらなる交代で河原に代えて大関友翔を入れ、脇坂泰斗を3列目に下げて攻めの姿勢を強めます。

この頃からマルシーニョに代わって入っていた伊藤達哉が、サイドを軽やかに突破する場面が増え始めます。

伊藤のプレーにはキレがあり、79分には大関の股抜きパスを受けてシュートを放ちました。ボールは中谷進之介に当たり、ゴールへと吸い込まれます。

勝ち点3につながる3点目を目指した川崎は、9分のアディショナルタイムを有効に使おうとします。とはいえ最後の最後のクオリティが足らず、ラストプレーとなった遠目からの脇坂のフリーキックも、瀬川祐輔のファウルによってチャンスが潰えてしまいました。

5連戦は2勝2分1敗に終わり、ホームでの4連戦に限れば負けなしだったものの、一気に順位を上げるまでには至りませんでした。

また、多種多様なスルーパスを連発するなど、随所でクオリティの高さを見せていた山本が、90分に負傷交代したことも気がかりです。

主力2人の離脱は攻撃力のダウンにつながりかねないだけに、長引かないことを祈るほかありまけん。


4日前の横浜FC戦の前半のように、ボール保持で圧倒した試合ではありません。それでも終盤に発揮される得点力で見事に勝利を収めました。

前半はハーフタイム付近になるまで絶好機がつくれず、山本悠樹の右からのコーナーキックに山田新が合わせたのが最初の大きなチャンスでした。ここは福井光輝に阻まれます。

その後も67分にエリソンと代わるまで、山田はセレッソゴールに迫ります。しかし、残念ながら得点には至りません。

川崎はそれ以外では、後半立ち上がりに佐々木旭のクロスに脇坂泰斗が頭で合わせる場面がありますが、ここも福井に防がれました。

一方、セレッソには川崎の右サイドを髙橋仁胡とルーカス・フェルナンデスに再三突かれるものの、決定機にはつながせません。安定感を取り戻した山口瑠伊の好判断もありました。

両者の選手交代が都度行われ、互いに攻め合いながらもスコアが動かないまま時間だけが経過していきます。

スコアレスの可能性も否定できなくなった85分、ついに均衡が破れます。途中出場の橘田健人がボールを奪ったのを起点にして、大関友翔のパスを瀬川祐輔がつなぎ、最後はエリソンが軽くボールに触れて、福井の股の間を抜きました。

高い位置でのボール奪取は、この試合だけでなく前の試合でもしばしば見られており、チームとして積極的な守備ができている印象です。

先制点の3分後、今度は佐々木のスローインを丸山祐市がラフに蹴ると、エリソンがボールを懸命に追いかけて頭に当てます。飛び出した福井より早く触り、ボールはゴールへと吸い込まれます。

勝利を決定づける追加点が生まれ、残りは守るのみとなった川崎。DFを削って前に人数をかけてきたセレッソ相手に、自陣での不用意なファウルもなくクリーンシートで締めくくりました。

連勝を飾って6位に浮上した川崎。次は今夏のクラブワールドカップに出場する浦和レッズを迎えての一戦です。


サウジアラビアでの悔しさを晴らしたいのであれば、まずは再び国内で上位に立たなければなりません。だからこそ大事な帰国後の初戦、アウェイとはいえ首位の鹿島を叩きたいゲームでした。

三浦颯太と脇坂泰斗が不在で、左サイドバックには佐々木旭、トップ下には成長著しい大関友翔が起用されます。

わずか7分でコーナーキックから佐々木が決めてリードし、その後も決定機をつくっていました。

相手コーナーキックからのカウンターを伊藤達哉とマルシーニョで行い、鹿島ゴールに迫りました。また、大関が高い位置で奪って、あとは決めるだけというシチュエーションもありました。

いずれも決めきれずに終わり、畳み掛けることができません。ここで容赦なく仕留める力があれば、非常に楽にゲームを進められたでしょう。

川崎が再三ビッグチャンスを逃すと、今度は鹿島の番です。レオ・セアラのシュートは山口瑠伊が難なく押さえたものの、そこから鹿島の流れができます。

マルシーニョの積極的なプレスバックも効いて、川崎は耐えていましたが、45+1分に右からのクロスを山口が弾き損ね、鈴木優磨にマイナスのパスを出されると、舩橋佑に決められてしまいました。

まだ同点ながらスタンドのアントラーズレッドが揺れ、川崎は悪い状態でハーフタイムを迎えます。

ただ、結果から言えば、気候も雰囲気も前の試合の比ではないはずながら、川崎は逆境を跳ね返せませんでした。

大関が後半早い段階で足をつらせて離脱。脇坂がいないため、山内日向汰が呼ばれます。

一方の鹿島もレオ・セアラが離脱して田川亨介が入ると、こちらは敵将となった鬼木達監督の采配が的中。抜け出して山口との1対1をつくり、冷静に沈めました。

逆転を許してからの11分間、川崎に選手交代はありませんでした。早く動いて流れを引き戻す必要があったはずですが、長谷部茂利監督による3枚代えが行われたのは76分のことでした。

それまではフィニッシュまで至らないシーンが続いていましたが、以降は代わって入った山田新にボールを集めていき、山田も期待に応えようとシュートを放ちます。しかし、クロスバーに嫌われるなどしてネットを揺らせません。

チームとしてはシュート数、コーナーキックの数ともに鹿島を上回りますが、勝ち点1さえ取れませんでした。

負けてしまったこのゲームで心配な点は、高井幸大のパフォーマンスです。守備面では大きな破綻は見られなかったものの、パス出しにミスが目立ちました。疲労なのか、激戦で燃え尽きたのかはわかりませんが、一旦休養を与える必要があるのかもしれません。

新たに始まった5連戦。すぐに次の試合が待っていますので、チームとしては這い上がるために立て直さなければなりません。


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