22インチのフットボール

備忘録を兼ねて試合を振り返ります

カテゴリ: サッカー

マルシーニョの得点によって、今季のリーグ戦では初めて先制に成功したものの、後半開始からわずか5分で逆転を許し、そのまま敗れてしまいました。

序盤は川崎がアタッキングサードに侵入する場面がほとんどなく、鹿島には逆に中盤で引っ掛けられて攻め込まれます。

前段階のビルドアップにも苦しみますが、36分の先制時はそれがようやく形になりました。特に右の大外に開いた脇坂泰斗から家長昭博への浮き球のパスが効いて、抜け出した家長がシュート。これは早川友基に防がれるも、こぼれ球に反応したマルシーニョが正確にゴールをとらえました。

前半はリードしたまま無難に終えます。

それだけに後半の入りを誤ったのが悔やまれます。川崎が決定機になりかけた直後、植田直通からのロングボールの処理がうまくいかず、最後はアレクサンダル・チャヴリッチに決められ追い付かれました。

さらに自陣でのボールロストの後、名古新太郎の懸命のクロスがクロスバーを叩き、落ちてきたボールを鈴木優磨に押し込まれます。

鬼木達監督はすぐさま佐々木旭を送り込んで、まず右サイドの守備の安定を図ります。橘田健人はアンカーにポジションを戻しました。

反撃に転じるための態勢を整えた川崎ですが、60分を待たずにジェジエウが足をつらせてしまい、大南拓磨との交代を余儀なくされます。

ただこの試合のベンチにはDFを多く入れており、ジェジエウに関しては遅かれ早かれ交代する流れを想定していたと思われます。

大南とともに遠野大弥、小林悠も投入され、サイドからのクロスも増えますが、チャンスには結び付きません。

苦しい状況を悪化させたのは、マルシーニョの退場でした。残り15分の場面で2枚目のイエローをもらい、ピッチを去らなければならなくなります。

1点差とはいえ10人での戦いは厳しく、鹿島の密集した守備を一向に崩せません。ポケットを取ることはほとんどなく、確実さを重視したのか、効果的なミドルシュートも見られません。

終盤はとりたてて決定機と呼べるシーンのないまま、タイムアップを迎えました。中断前の試合だっただけに勝って五分に戻したいところでしたが、黒星が続きます。


前節の痛恨の敗戦を経て、上福元直人の起用をはじめスタメンの入れ替えを行った川崎。しかし、ベンチ外となったエリソンの不在が響いて、無得点に終わりました。

またしても起こった開始早々の失点は、VARにより原大智のハンドがあったとして、ゴールは認められません。

最悪のスタートを回避し、当たりの強い京都の守備にも次第に慣れてきます。この日は右サイドバックを務めた橘田健人が、アンカーの山本悠樹のそばに立つなどしながら、少ないタッチでボールを放し、前進していきました。

トップに入った山田新は最前線で体を張り、時に相手の意表をついてゴールに迫ります。ただ、ネットを揺らすには至りません。

後半、京都がマルコ・トゥーリオを入れたことで橘田の動きを封じ、序盤はアウェイチームが主導権を握りました。

試合が動いたのは65分。京都のコーナーキックを凌いでカウンターに出ていこうとした矢先、マルシーニョのコントロールが大きくなって、ボールを失います。局面が一気に変わり、上福元の懸命の守備も実らず、川﨑颯太に得点を許しました。

鬼木達監督は次々と交代カードを切って、勝ち点獲得のために動きます。脇坂泰斗や家長昭博を下げ、最終的には3バックに変更。小林悠とバフェティンビ・ゴミスの2トップに託します。

それが実ったかに思われたゴミスの待ちに待った87分の初ゴールは、直前の遠野大弥のポジションがオフサイドであったとして、VARにより幻となりました。

唯一の希望が打ち砕かれたかのように、以降の川崎のプレーには焦りが見られだします。アディショナルタイムに入っているので当然と言えば当然ですが、相手に脅威を与える攻撃ができていませんでした。

ホームでは公式戦3連敗。ネーミングライツによって新たな名前となった本拠で、いまだ勝利を挙げられずにいます。


最後の最後まで勝ち点獲得の可能性を残したホーム開幕戦でした。しかし、開始30分で3失点を喫したことが大きく響きます。

特に高井幸大が平川怜にボールを奪われて、ジャーメイン良にフリーで決められた2失点目は、看過できないミスが起こった形です。

山東泰山戦でも最終ラインでの似たようなエラーがあり、川崎の失点パターンになりつつあります。今後も対戦相手がセンターバックに迷いなくプレスをかける場面は増えるでしょう。

とはいえ、3点ビハインドから60分までに追い付く力はさすがでした。相手のミスを逃さない姿勢、エリソンの決定力が光ります。

その中で、前半のうちに1点返せたことで、ボールを動かすエリアがミドルゾーンから前に移るようになりました。次第にマルシーニョが生きる形も増えます。

ハーフタイム明けに瀬古樹が左インサイドハーフの位置に入ると、機敏にピッチを動き回り、さらに攻撃にリズムを生み出します。2点目のコーナーキックは、脇坂泰斗に変わって瀬古が蹴ってアシストを記録しました。

三浦颯太のサイド突破を起点に3-3にした後は、磐田にPKを2本献上。いずれもジャーメインに決められます。

最初のPKの直後は、勝負の4枚替えで出てきた山田新がリカルド・グラッサに倒されてPKを獲得。山田がボールを譲らずに志願して決め、一旦は4-4の同点に追い付きました。しかし、三度追い付くことはできません。

PKに際してVAR判定に時間がかかり、最終的に15分を超えるアディショナルタイムが設けられるも、川島永嗣の好セーブもあって肝心のゴールが奪えませんでした。

ホームでの公式戦は、これで2戦連敗です。どちらも点の取り合いになりながら、終盤に屈しています。次もホームで戦えるだけに、嫌な流れはきっちり払拭しなければなりません。








リスタートからの失点で、アジア制覇の道が絶たれてから4日。またしてもセットプレーからゴールを献上して、早々に開幕戦が動き出しました。

嫌な流れの中、川崎も三浦颯太の鋭いフリーキックを大南拓磨が頭で合わせますが、この決定機は富居大樹に阻まれました。

湘南の新たな形--4-4-2のコンパクトなライン設定に川崎は苦しみます。ミドルゾーンでボールロストするケースが多く、ビルドアップでうまく出口をつくれずにいました。

また山東泰山戦とほぼ同じスタメンで臨んでおり、過密日程による動きの重さも心配されます。

ゲームを振り出しに戻したのは、腕章を巻いた背番号14でした。脇坂泰斗の左足が炸裂し、ポストを叩いてゴールに突き刺さります。

ただ、追い付いて息を吹き返すには至らず、厳しい時間が続きました。コーナーキックをダイレクトで合わせた田中聡のボレーシュートは、チョン・ソンリョンが一歩も動けませんでしたが、クロスバーに当たって外れました。

ハーフタイムを終えると、ロッカールームで整理されたのか、徐々に川崎に崩しの形が増え始めます。

押し込む機会が増えた中で、56分に決勝点が生まれました。キム・ミンテが富居に下げた際、エリソンが猛烈にプレスをかけ、ボール奪取に成功。富居に体をつかまれながらも、エリソンは倒れることなくフィニッシュ。その屈強さがゴールに結び付きました。

以降は湘南のラインが下がり気味となり、川崎が比較的優位にゲームを進めます。

湘南の交代選手、鈴木淳之介のシュートが阿部浩之に触れてゴールかと思われたシーンは、VARの結果、阿部のオフサイドとジャッジされて救われました。

一方、ボックスまで攻め入っての脇坂のシュートは富居の手に触れてクロスバーを叩き、依然として1点差の状況が続きます。

終盤はホームチームが前方のサイドへのロングボールを主体に攻めてきました。川崎は家長昭博、橘田健人をはじめ、チーム全員の頑張りで凌ぎます。

アディショナルタイムに入ると、川崎は相手陣内でキープし、時計を進めるプレーを心掛けました。そして、AFCチャンピオンズリーグで受けた傷をさらに大きくすることなく、リーグ開幕戦を勝利で飾ったのです。


有観客で行われるゲームではありますが、プライオリティを考えると山東泰山とのAFCチャンピオンズリーグが勝る中、スタメン総入れ替えで臨んで勝利を収めました。

中国で好守連発のチョン・ソンリョンをはじめ、新キャプテンの脇坂泰斗、家長昭博らをベンチ外とし、3日後の再戦に万全の準備を整えた上での勝利は格別です。

前半は半ばまで個々の選手が持ち味を発揮しながら持ち堪えたものの、徐々に神戸に押し込まれる展開となりました。

大迫勇也が左右に流れるシーンが多く、両サイドバックの背後を突かれることが増えていきます。ただ、幸いにも得点を許さずにハーフタイムを迎えました。

後半頭から山東戦ではベンチ外だった三浦颯太を入れて改善を図ると、早々に得たセットプレーから先制します。

瀬古樹が蹴った鋭いボールを前川黛也が弾き、こぼれ球を山口蛍がクリアしたものの、そのすぐ前に立ちはだかったファン・ウェルメスケルケン・際に当たり、ゴールへと吸い込まれていきました。

ゲームが動いたことでリーグ王者の反撃が始まるかに思われましたが、勢いを増したのは先制した川崎の方でした。動きがよくなり、前向きなプレーが目立ちます。

その後、鬼木達監督はマルシーニョや橘田健人といったレギュラークラスを送り込みます。得点に関しては、瀬古のフリーキックがクロスバーを叩くなど追加点は奪えないものの、終盤のバフェティンビ・ゴミスの両ゴール付近での奮闘もあって逃げ切りに成功します。

川崎はすでに緊張感の高い公式戦を戦っていたという仕上がり具合におけるアドバンテージもあり、神戸を下してカップを掲げることができました。






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