3年前のアジアカップ、伊東純也の離脱直後のイラン戦は逆転負けを喫して準々決勝敗退に終わりました。今回はチームの柱、キャプテンの遠藤航が離脱することとなり、集団としての真価が問われる一戦でしたが、選手たちは動揺することなく勇敢に戦い、勝ち点1をもぎ取りました。

前半は立ち上がりこそ強度高く向かい合ったものの、ドニエル・マレンのシュートを鈴木彩艶の好セーブで凌ぐと、次第に迂闊な失点をしまいと慎重な戦いに変わりました。初戦を勝ち点0で終える怖さを両者が考慮していたためです。

どちらも最終ラインでは余裕をもってボールキープできる、一見すると退屈に見える展開でした。両者にらみ合う中、日本は中村敬斗や上田綺世がゴールを狙うも、枠内にシュートを持っていけません。

ただ、意外だったのはオランダが守備時に5-4-1に変化したことです。それだけ日本を警戒していたのかもしれません。

スコアレスで折り返すと、後半は一転して点の取り合いと化します。セットプレーの流れでフィルジル・ファン・ダイクに易々と決められるも、久保建英が左に流れて中村のニア狙いのフィニッシュですぐさま同点。中村のシュートコースにいた前田大然がオフサイドかどうかが問題でしたが、ミッキー・ファン・デ・フェンが残っていたため得点が認められます。

7分後、クリセンシオ・サマービルに勝ち越されますが、伊東のコーナーキックから小川航基が頭で合わせ、最後は鎌田大地に当たって再び追い付きました。

しぶとく食らいつく強さは今大会も継続していました。オランダはナタン・アケを入れて、可変なしでDFを増やし、守備固めをしたはずなのにゴールを許した格好です。日本は2トップへの変更もはまり、その点でも価値ある同点劇でした。

グループ3位でも次に進めるレギュレーションだけに終盤は無理をしませんでした。不用意にボールロストして3点目を奪われるわけにはいきません。賢明な判断で90分を戦い終えました。

心配なのは久保の状態です。左膝を痛めた背番号8は、攻撃面でのクオリティの高さのみならず、この日は堂安律とダブルチームでコーディ・ガクポに自由を与えない献身ぶりも見せていただけに、離脱だけは回避してほしいところです。

一方、前半のほとんどの時間で消えていた佐野海舟は、ハーフタイム前にファン・ダイクのパスを巧みにカットして以降は持ち味を発揮。勝ち上がっていく上で不可欠な選手が状態を整えてきました。

誰が出ても確実に試合をコントロールできる。成熟した日本は多少のことでは揺るぎません。