ベンチを含め中盤から前の選手が再び揃い始めた川崎。この日はエリソンとラザル・ロマニッチの2トップで臨みます。

キックオフ当初は長倉幹樹にシュートを打たれた川崎でしたが、徐々に押し返すようになりました。ただ、主導権を握り返しながらも小さなミスが散見され、東京にボールを明け渡すシーンが増えます。

23分には左右に揺さぶられ、中央にいた遠藤渓太のヘッドで先制を許してしまいました。その後は東京に川崎の左サイドを使われます。

マルコス・ギリェルメのゴールはオフサイドで取り消され、仲川輝人に許した絶好機はボールが枠を外れたため、追加点だけは与えずに済みます。

川崎はボックス外からのシュートが多く、蹴る力はありますが枠を外れるばかりでチャンスには至りません。

1点ビハインドで折り返した後半、キャプテンの脇坂泰斗がロマニッチに代わって登場。中盤でボールをつないで捌く役割を担います。

いつもの形に戻った川崎はボールの循環がスムーズになり、押し込む機会が一気に増えます。しばらくは一方的に攻めるも、次第に東京のカウンターが脅威となり始めます。

それでも得点が欲しいホームチームは果敢に攻めますが、そこに立ちはだかったのがアレクサンダー・ショルツでした。彼が川崎のチャンスをことごとくつぶしてしまうのです。

山本悠樹のパスに抜け出たマルシーニョのシュートがブロックされるなど、ボックスからのシュートはほとんど塞がれます。

ファン・ウェルメスケルケン・際のスルーパスに抜け出した伊藤達哉のシュートは、ショルツの及ばない場面でしたが、惜しくも枠をとらえられません。

終盤、久々に帰ってきた家長昭博、さらに宮城天、橘田健人がピッチに入り、攻撃の圧力を強めます。しかし1点は遠いままでした。

90+3分、脇坂の魂のこもった一撃がネットを揺らしたものの、その前にパワープレーで上がっていたフィリップ・ウレモヴィッチがオフサイドポジションにいたために取り消され、三浦颯太のクロスに合わせた小林悠のヘッドはキム・スンギュに止められます。

せめて勝ち点1は得て、無敗で進みたい川崎でしたが、東京にウノゼロを許す格好となりました。