ミッドウィークは浦和レッズ相手にラストプレーで失点を喫した2-2でしたが、今回は反対に逆転されながら追い付いての2-2でした。

エリソンがその浦和レッズ戦でファン・ウェルメスケルケン・際と交錯して負傷したため、この日は小林悠が最前線に起用されます。

ギラギラした感情を隠そうとしないベテランストライカーは、開始からひたむきにゴールを狙いました。

家長昭博のパスにダイレクトで合わせたり、ドリブルで長距離を運んだ佐々木旭のパスを左足で狙ったりしますが、ゴールには結び付きません。

川崎の先制点はコーナーキックからでした。山本悠樹のキックを佐々木が頭で合わせ、ファーに流れたボールをマルシーニョが仕留めます。

ただ、連戦最初の鹿島アントラーズ戦同様、先制後に攻め入る流れをつくりながら、追加点を奪えないうちに相手に主導権を明け渡してしまいました。

前半終了間際の満田誠のシュートはポストを叩きはしたものの、それをきっかけとしたガンバの勢いはハーフタイムを挟んでも途切れません。

53分には山本が自陣で満田につぶされた後、ガンバボールになり、最後は河原創が宇佐美貴史にボックスでかわされてフィニッシュを許します。

アタッキングサードでの宇佐美の輝きが増すと、今度は60分に鋭いラストパスで山下諒也のゴールをお膳立てしました。

長谷部茂利監督は逆転される前に3人同時交代を行うも、アウェイチームの勢いを止められません。

それでもさらなる交代で河原に代えて大関友翔を入れ、脇坂泰斗を3列目に下げて攻めの姿勢を強めます。

この頃からマルシーニョに代わって入っていた伊藤達哉が、サイドを軽やかに突破する場面が増え始めます。

伊藤のプレーにはキレがあり、79分には大関の股抜きパスを受けてシュートを放ちました。ボールは中谷進之介に当たり、ゴールへと吸い込まれます。

勝ち点3につながる3点目を目指した川崎は、9分のアディショナルタイムを有効に使おうとします。とはいえ最後の最後のクオリティが足らず、ラストプレーとなった遠目からの脇坂のフリーキックも、瀬川祐輔のファウルによってチャンスが潰えてしまいました。

5連戦は2勝2分1敗に終わり、ホームでの4連戦に限れば負けなしだったものの、一気に順位を上げるまでには至りませんでした。

また、多種多様なスルーパスを連発するなど、随所でクオリティの高さを見せていた山本が、90分に負傷交代したことも気がかりです。

主力2人の離脱は攻撃力のダウンにつながりかねないだけに、長引かないことを祈るほかありまけん。