新たな扉をまた一つ開けました。猛者揃いのアル・ナスルを相手に90分で勝利を収め、川崎がファイナルへと駒を進めました。

連戦を考慮して、一部メンバーを入れ替えて臨んだ川崎。この大事な一戦の前線には神田奏真、トップ下には大関友翔が抜擢されます。

この日は全員の守備意識の高さが光りました。マルシーニョがプレスバックで何度もボールを奪い、山本悠樹も適切なポジションで相手の攻撃を防ぎ、高井幸大はクリスティアーノ・ロナウドとのバトルを繰り広げます。

開始早々にモハメド・シマカンのクリアを叩いた伊藤達哉のボレーで先制するも、サディオ・マネの強い振りからの一撃で追い付かれます。

それでも41分、伊藤が果敢な仕掛けで突っ込み、ベントが弾いたボールを大関がプッシュ。前半のうちに再びリードに成功します。

後半頭からは脇坂泰斗とエリソンが満を持して登場。大関と神田は前半だけで退きます。

アル・ナスルは準々決勝のアル・サッド同様に後半はロングボールを多用。川崎を押し下げて攻め入ろうとしました。

30度を超す暑さの中で前半かなり飛ばした川崎は、徐々に下げさせられてしまいますが、守備の網だけは崩さないように努めます。

我慢に我慢を重ね、70分を過ぎると相手の中盤の守備が緩くなります。それでもシュートまでやり切る場面が少なかったのですが、76分に川崎にとっては痛快なゴールが生まれます。

伊藤が自陣で奪ってハーフウェイラインまで運び、山本を経由してエリソンに到達。エリソンはコーナーフラッグ付近でキープすると見せかけて、エメリク・ラポルトの隙をつき、ゴール方向へターン。最後は走り込んできた家長昭博にパスを送り、背番号41は余裕を持ってフィニッシュ。その差を2点にします。

突き放されたアル・ナスルはラポルトも前線に上がって攻めに出てきて、アイマン・ヤヒヤのミドルで1点差とします。

さらに攻めるアル・ナスル。最後の最後にはロナウドが牙を剥きます。得意のフリーキックが続き、3回目のチャンスには壁の横を抜けるボールを蹴りました。ただ、そこは山口瑠伊が懸命の守備を披露します。

その後もロナウドがゴール前に出ていくも、途中出場の佐々木旭が決死のブロックで得点を許しません。

6分のアディショナルタイムを凌ぎ、ファイナルホイッスルが吹かれると、川崎の選手は喜びで倒れ込んだり、感情を爆発させたりします。

次はいよいよ決勝。今度もヨーロッパでの実績十分のプレーヤーが数多くいるアル・アハリと対戦します。戦いながら覚醒している川崎の選手達が、栄光をつかむことができるか。運命の大勝負です。