きっちり勝って、決戦の地・サウジアラビアに向かいたかったゲームでしたが、連戦による疲労の蓄積がうかがえる川崎は、ゴールを奪えずに0-0のままタイムアップを迎えました。

ホームチームは3分にマルシーニョのアウトのクロスに山田新が飛び込むも枠をとらえきれません。キックオフ直後はヴェルディに押されながらも、早々にチャンスをつくれたことでいい入りができたように思えました。

しかし前半はこれと、ボックスに入った佐々木旭の落としを、脇坂泰斗が狙って林尚輝に当たった場面しかシュートはありませんでした。

フィニッシュが増えなかった要因の一つとして、ヴェルディの引かない守備が挙げられます。果敢に寄せるアウェイチームを打開できずに時間が進みました。

ヴェルディも最後の局面で迫力を欠き、山口瑠伊が慌てることはほとんどありません。それよりも高井幸大が足を痛めて座り込んだ時に、最悪の事態を恐れてスタンドが静かになりました。

風下から風上に変わった後半、ロングボールを活かした攻撃を繰り出すも、ボールが流れてしまい、山田やマルシーニョには届きません。

立ち上がりに脇坂のフリーキックに家長昭博が頭で合わせたシーンは、マテウス・ヴィドットの正面にボールが飛んでしまいます。

長谷部茂利監督は、エリソン、伊藤達哉、大関友翔、神田奏真と前線のメンバーを次々と代えて攻撃の活性化を図ります。脇坂、家長には無理をさせません。

点を取りたい川崎は、左サイドからマルシーニョや三浦颯太のクロスがボックスに入りはするものの、味方にはつながらず流れていきます。

ラストプレーはコーナーキックの流れで、大関の浮き球を丸山祐市が頭で薄く当ててゴールを狙うも得点には至りません。

この結果、リーグの暫定順位は6位で日本を一旦離れますが、負けなかったことをプラスに考えて、1週間後の準々決勝に備えたいところです。