7連戦の6試合目、ここまで粘り強く戦ってきた川崎も、強度の高い神戸に苦しめられて、遂に黒星を喫しました。

前半は特に川崎の左サイドでの攻防で劣勢に立たされます。酒井高徳、エリキの強さに三浦颯太、マルシーニョは持ち味を発揮できません。

試合は10分も経たないうちに、酒井とエリキで見せたカウンターによる決定機をきっかけに動き出し、神戸が主導権を握り始めます。

川崎はエリソンがトラップでマテウス・トゥーレルを中盤で剥がして抜け出すも、戻った山川哲史に完璧に止められました。

一方、30分には佐々木旭のバックパスが中途半端になったところをエリキに狙われ、佐々木大樹に際どいシュートを打たれます。

その直後、今度はサイドに流れてボックス角から狙った佐々木大樹の一撃が丸山祐市に当たり、ゴールに吸い込まれました。ピンチを凌いだ後だけに悔やまれる失点です。

加えて45分にはコーナーキックからマテウス・トゥーレルに頭で決められ、傷口が広がります。

苦しい点差で折り返しかけますが、マルシーニョが偶然とも思えるヒールキックで抜け出し、追走してきた酒井を振り切って1点差としました。後半に希望をつなぐゴールです。

ハーフタイム明け、ピッチを上げて攻めに出ていく川崎。前からのプレスの激しさも増していったものの、ボックスの中での決定的なシュートチャンスには至りません。

残り約30分のところで、家長昭博、山田新を入れ、15分を切ると今度はファン・ウェルメスケルケン・際、大関友翔、小林悠を一気に投入。ベンチからも点を取りに行くというメッセージを発します。

それでも神戸の屈強なディフェンスに手を焼き、得点の匂いが漂ってきません。また、攻め急いだのか、パスのズレも随所に見られ、安定した攻撃を繰り出し続けることができずにいました。

アディショナルタイムには高井幸大が前線に顔を出す機会を増やし、サイドからのクロスを多用するも、やはりシュートにはつながりません。

2失点が重くのしかかり、最後は時間を使われて、チャンピオンチームに敗れてしまいました。

ただ、その中で高井は出色の出来でした。192cmの身長を活かした空中戦だけでなく、地上戦でもほとんど負けません。それだけに若き主力の頑張りに応えられれば申し分ないゲームでした。