煙で視界が悪かった間は東京に押し込まれましたが、晴れた後にペースを取り戻した川崎が完勝しました。

序盤はしきりにサイドからのクロスを浴び、さらにはディエゴ・オリヴェイラに決定機をつくられます。チョン・ソンリョンの好判断で失点は免れました。

その後は大島僚太、脇坂泰斗、家長昭博で時間をつくり、ゲームを落ち着かせて猛攻を回避します。

15分、マルシーニョがボックスで冷静さを見せてクロスを入れ、山田新が下がりながらのヘッドをゴールにねじ込みました。野澤大志ブランドンに触られますが、山田のシュートが勝ります。

流れをつかんだ川崎は、20分にもファン・ウェルメスケルケン・際のピンポイントクロスに山田が合わせてリードを2点に広げました。

この日はセンターバック陣の働きが光ります。オリンピックから戻った高井幸大はディエゴ・オリヴェイラを封じ、佐々木旭は一部軽率なプレーもあったものの、サイドバックでのプレー時に見せるような攻め上がりを披露しました。

ハーフタイム明け、東京が荒木遼太郎を入れ、攻撃の梃入れをしてきましたが、川崎は冷静に対処します。

鬼木達監督は56分の段階でマルシーニョを下げ、遠野大弥を投入。マルシーニョは前半終盤の攻撃局面で珍しく走らない場面があったので、小さなアクシデントがあったのかもしれません。

遠野は持ち味の積極性を見せ、コーナーキックでは脇坂のキックに完璧に合わせますが、惜しくもクロスバーに嫌われます。

試合を決める3点目が欲しい川崎にその瞬間が訪れたのは72分でした。やや遠目の位置からのフリーキックで、三浦颯太の鋭いボールに高井が飛び込んで決めました。高井は家長はじめ味方から手荒い祝福を受けます。

すでに4枚の交代カードを切り、攻めに出ようとしていた東京にとっては痛い失点でした。

川崎は逆にここから本格的な交代を進めます。はじめはトップ下を任された瀬川祐輔を筆頭に、新たに入ったフレッシュな選手が前からのプレスに尽力します。

終盤はチョン・ソンリョンのファインセーブが続き、相手にゴールを許しません。クリーンシートにつながる好守でした。

川崎はこれで3連勝。いずれの試合も3ゴールを記録しています。この先も難敵が続きますが、今のチームは勝つことで失っていた自信を取り戻しているように見えます。