セレッソに同点にされた直後、小林悠のゴールで、今度こそ、このところ見放されていた白星を獲得できるかと思われました。カウンタープレスがはまっての攻撃でした。

しかしVARによるゴールチェックで、その前の家長昭博のクロスの場面でボールがラインを割っていたため、勝ち越しとはなりません。

川崎はリーグ戦5試合連続の引き分け、それも4試合連続で追い付かれての引き分けです。後味の悪さは否めません。

4日前の天皇杯で敗退し、タイトル獲得の道が一つ途絶えた中、勝って悪い流れを断ち切りたいホームゲームでした。

この日はセンターバックを高井幸大と佐々木旭に任せ、左サイドバックは橘田健人が務めます。

序盤から両者に決定機が生まれたこともあり、前半から攻め合うオープンな展開になりました。

チームとしては不振の川崎は、好調のマルシーニョを生かして攻めます。先制点も背番号23によるものでした。

佐々木が持ち出して脇坂泰斗へつなぐと、脇坂は完璧なタイミングで前に出します。最後はマルシーニョが落ち着いてフィニッシュ。36分のゴールです。

その後も対峙する奥田勇斗に対して優位に立つマルシーニョがチャンスを迎えるも、キム・ジンヒョンの好守に阻まれます。

前半の終盤はセレッソが構える時間が長く、やや膠着したまま終わりました。

後半、セレッソは並びを変えて、可変式のシステムに変更。攻撃時には前に人数をかけてきます。

対する川崎は、大島僚太がおそらくコンディションの問題で下がり、ゼ・ヒカルドが入りました。

戦い方を変えたアウェイチームに対し、川崎は特段大きな変更を行わず、選手交代でキャラクターを変えていきました。

右サイドハーフで生きなかった山田新を中央に移し、その場所にエリソンとの交代で小林を投入します。

その後、ファン・ウェルメスケルケン・際が足をつらせたため同じ位置に大南拓磨を、と同時にマルシーニョに代えて、家長を送り込みスタートポジションを珍しく左とします。

ここ数試合を見ても、大事なのは次の1点を取れるかどうかでした。ところがそれを決めたのは、ピッチの幅を広く使ったセレッソでした。

レオ・セアラが左の大外に展開すると、カピシャーバが受けてラストパス。最後は途中出場のヴィトール・ブエノがきれいに合わせました。

再びの同点劇に挫けず攻めた川崎。小林の幻のゴールの後もあきらめないで攻め続けました。

一方、高井のバックパスが中途半端になり、カピシャーバに狙われたシーンは、チョン・ソンリョンが体を張って阻止します。

アディショナルタイムは8分あったものの、どちらにも決勝点は生まれませんでした。川崎は負けはしないとはいえ、勝ち切る、逃げ切るという試合をつくれません。

中断前の次節こそ、アウェイの柏レイソル戦ではありますが勝ち点3を取りたいゲームです。