ホームの川崎が圧倒的に攻めながら前半1点も取れずに終わり、そのことが大きく響いて1-1のドロー決着となりました。

開始から主導権を握った川崎は、相手のボックスに入る回数が多く、果敢にゴールを狙います。3連続で際どいシュートを放つ波状攻撃もありましたが、ソン・ボムグンの好守に阻まれました。

さらに3バックの脇をマルシーニョが抜けてチャンスをつくります。2節前のヴィッセル神戸戦が嘘のように前半だけで多くのシュートを記録しました。

反対に湘南には決定機をつくらせず、田中聡と鈴木雄斗の枠外シュート2本に抑えました。

あとは得点だけという状況でしたが、ハーフタイムが明けると湘南は4バックに変更します。マルシーニョに再三ウイングバックの背後を突かれたのを嫌ったものと思われます。

後方が安定し、ボール保持の時間も長くしたアウェイチームが徐々にリズムを取り戻しました。決定機もつくれるようになりますが、高井幸大とチョン・ソンリョンが防ぎます。

ピンチの後にはチャンスが来ます。佐々木旭のスローインを起点にファン・ウェルメスケルケン・際の強烈なシュートがクロスバーをヒット。そして62分に均衡が破れます。

山内日向汰のパスをボックスで受けた山田新が強さを見せました。舘幸希にタイトにつかれたものの、まったく怯まず突き進んでラストパスを供給。ファーサイドでフリーのマルシーニョが冷静に合わせてゲットします。

先制して畳み掛けたい川崎でしたが、後半になって攻撃の形のできていた湘南は崩れません。

78分、田中の豪快なミドルがチョン・ソンリョンの手を弾いて決まりました。試合は振り出しに戻ります。

鬼木達監督は直後に小林悠に加え、約1年ぶりの復帰となる大島僚太を投入。勝ち越しを狙います。

大島が入ったことで、まだピッチに残っている脇坂泰斗と2人でボールを巧みにコントロールできるようになり、川崎らしい軽快なパスワークが披露されます。

その流れで何度も湘南ゴールに迫るものの、決定機と呼べる場面は生まれずに時間が経過しました。

終盤はチョン・ソンリョンのロングキックを起点に、上がっていた高井がシュートを放ってコーナーキックを獲得。前節を彷彿させる展開になりますが、コーナーでも得点には至りません。

選手の離脱と復帰の入れ替わりが激しい中で、大島復帰という朗報が実る結果が欲しいゲームでした。しかし、ロッカールームで立て直した湘南を下すことはできませんでした。