1点が遠い、より正確には遠すぎるゲームでした。前半は30分過ぎの山内日向汰のミドル1本しかなく、90分を通しても効果的な攻撃はほとんどできませんでした。

試合の入りこそ悪くなかった川崎でしたが、すぐに神戸に主導権を握られます。ただ、次々とシュートを打たれるものの、枠内シュートが少なく、枠をとらえてもチョン・ソンリョンの好セーブで得点を与えません。

飲水タイムの後、家長昭博がこの日初めて左サイドに出ていくと、ショートパスの連続でポストを叩く脇坂泰斗のフィニッシュにつなげました。

ここはその前にボールに絡んだ遠野大弥がオフサイドポジションにいたため、記録上シュートにはカウントされません。

ビルドアップではしばしばつかまり、チョン・ソンリョンのロングキックもバフェティンビ・ゴミスがマテウス・トゥーレルとの空中戦に勝てず、ボール保持の時間が長くなりません。

前半終了間際、酒井高徳のシュート性のボールを、流れの中で逆サイドに移ってジェジエウの背後から抜け出た武藤嘉紀に押し込まれ、先制を許しました。圧倒された中で遂に破られた格好です。

ハーフタイムが明けると、ゼ・ヒカルドが山内に代わって投入されます。脇坂をトップ下に配した4-2-3-1にはっきりと変更しました。

後半になり、脇坂がボールに触れる機会は増えました。それでもアタッキングサードでの攻撃が形にならないまま時間が経過します。

61分には山田新とマルシーニョを入れ、前線の活性化を図ります。しかし、帰陣の速い神戸の守備を前に、マルシーニョのスピードを生かす展開は訪れません。

それでも交代を進めたことで、次第にサイドではアタッキングサードまで侵入し始めます。肝心のシュートに結び付く攻撃は少なく、佐々木旭の鋭いパスをボックスで受けた山田も強引には振れず、角度のないところからの中途半端なラストパスに終わりました。

後半も川崎のシュートは2本にとどまり、神戸の方は本数を増やしながらも枠内にもっていく数が少なかったため、1-0でタイムアップとなりました。

アウェイとはいえ国立競技場開催で、川崎からも近く、比較的勝手を知った舞台ではありましたが、勝ち点獲得はなりませんでした。