30分から45+3分までの18分。背番号にちなんだわけではないでしょうが、バフェティンビ・ゴミスが川崎での初ゴールからハットトリックを達成するまでに要した時間です。この3点が大きくものを言って、川崎が完勝しました。

チョン・ソンリョンが負傷からベンチに戻り、カタール帰りの高井幸大もベンチ入り。さらにジェジエウがスタメンに名を連ねられるようになり、佐々木旭は左サイドバックに。後方の陣容が再び整い始めます。

それでも札幌のマンマークに対してビルドアップに苦しみ、前半はゴミス目掛けてのロングキックを多用しました。ゴミスのフィジカルが強く、一定の成果を上げられるため、決して悪い戦い方ではありません。

札幌は攻撃時に前線の5人が川崎の最終ラインの間に立ち、全部のレーンを埋めます。そして大きなサイドチェンジを使いながら攻めてきました。

上福元直人が高い位置をとるのを見て、ジェジエウのミスパスを取った浅野雄也がロングシュートを狙ったり、コーナーキックからチャンスをつくったりして川崎ゴールを脅かします。

一方の川崎は、脇坂泰斗、家長昭博が絡む場面がはじめは少なく、前半半ばあたりから彼らにもボールを触って効果的に動かせるようになりました。

その流れでゴールに迫り、待望の瞬間が訪れます。ゴミスが遠野大弥のパスを受け、家泉怜依を背負いつつターンしてフィニッシュ。ゴール左隅に突き刺さりました。

ゴミスは喜びを爆発させ、その後、鬼木達監督のもとへ向かいます。ベンチメンバーからも祝福を受け、スタジアムはいいムードに包まれました。

得点を取れたことでゴミスの動きはよくなり、43分に追加点を奪います。ハットトリックにリーチがかかると、マルシーニョがボックスの中で菅野孝憲にファウルを受けました。

キッカーはゴミス。冷静に真ん中に蹴って3-0とします。エリソンの出場停止でスタメンに立った元フランス代表がこの日は爆発しました。

優位に立った川崎は、後半も持ち味を出しながらボールを動かします。ただ、シュートに至るプレーが少なく、4点目は奪えません。

ゴミスは61分で山田新と交代。ミッドウィークに試合があることを考慮してか、家長、マルシーニョも75分で下がります。ジェジエウも早めに休ませたいところでしたが、大南拓磨が脳震盪の疑いで高井と代わりました。

札幌にはシュートを打たれる機会が多いものの、ほとんどが枠外に飛んだため、後半、上福元が慌てた場面は数えるほどしかありません。

最終的に後半はスコアが動かないまま終わり、クリーンシートで勝利を収めました。ホームで確実に勝って、アウェイでの連戦に臨みます。