最前線の山田新が馬力を見せ、75分に先制点を決めましたが、その10分後に追い付かれてドローに終わりました。

前節から中2日のこの日、川崎がスタメンを一部入れ替えただけにとどめた一方で、福岡は大胆なターンオーバーを実行。アウェイチームはフレッシュな面々に襲い掛かられます。

事実、20分あたりまでは福岡の距離を詰める果敢な守備に苦しみ、前線に効果的なボールを届けられません。

それでも徐々に球離れを早くし、ピッチを広く使い出して流れを引き寄せていきます。

ようやく31分にチーム最初のシュートを遠野大弥が放ち、その後、脇坂泰斗の鋭いフリーキックから際どいチャンスになりかけるなど、攻めの形ができるようになりました。

後半頭からは、この日ベンチスタートだった家長昭博が入り、警告を受けて次節出場停止のエリソンが下がります。

55分に瀬古樹とゼ・ヒカルドが送り込まれ、4-2-3-1にシステムを変更。後半はあらためて仕切り直してきた福岡の守備に手こずりましたが、この交代から川崎の攻撃が加速していきました。

ただ、橘田健人のパスを受けた脇坂のポケットからのクロスを山田が流し、遠野が打ったシュートは枠を外れます。

対する福岡は少しずつ主力へと切り替え、70分には得点源であるシャハブ・ザヘディが、ウェリントンとの交代でピッチに登場しました。

ザヘディが出てきたことでホームチームのムードが変わり始めた中、相手のミスを逃さなかったのが山田でした。ボールを奪った後は単独で突き進み、松岡大起を振り切り、最後は冷静に切り返してニア上に蹴り込みました。

すぐにジェジエウも入って逃げ切りたい川崎でしたが、右サイドバックに移った佐々木旭が食らいつくも岩崎悠人にクロスを上げられ、上福元直人が触るも、弾いた先にいた紺野和也に決められます。85分のことでした。

浮上のために連勝を狙う川崎はバフェティンビ・ゴミスを投入。早速、家長のクロスにフリーで合わせますが、永石拓海に防がれました。またしても加入後初ゴールはお預けです。

アディショナルタイムはセカンドボールを多く拾って波状攻撃を仕掛けます。それでもボックスの中での最後の迫力が足りず、勝ち越しゴールを奪えません。

逆に福岡にカウンターを食らい、大南拓磨がザヘディに剥がされ、シュートを許すも上福元が触って難を逃れる場面がありました。

最後は瀬古のクロスを永石にキャッチされてタイムアップ。勝ち点1を分け合う結果となりました。

一時期の無得点が続く事態は回避して、得点を継続して取れるようになったものの、勝ち切るだけの力がまだまだ足りません。