リスタートからの失点で、アジア制覇の道が絶たれてから4日。またしてもセットプレーからゴールを献上して、早々に開幕戦が動き出しました。

嫌な流れの中、川崎も三浦颯太の鋭いフリーキックを大南拓磨が頭で合わせますが、この決定機は富居大樹に阻まれました。

湘南の新たな形--4-4-2のコンパクトなライン設定に川崎は苦しみます。ミドルゾーンでボールロストするケースが多く、ビルドアップでうまく出口をつくれずにいました。

また山東泰山戦とほぼ同じスタメンで臨んでおり、過密日程による動きの重さも心配されます。

ゲームを振り出しに戻したのは、腕章を巻いた背番号14でした。脇坂泰斗の左足が炸裂し、ポストを叩いてゴールに突き刺さります。

ただ、追い付いて息を吹き返すには至らず、厳しい時間が続きました。コーナーキックをダイレクトで合わせた田中聡のボレーシュートは、チョン・ソンリョンが一歩も動けませんでしたが、クロスバーに当たって外れました。

ハーフタイムを終えると、ロッカールームで整理されたのか、徐々に川崎に崩しの形が増え始めます。

押し込む機会が増えた中で、56分に決勝点が生まれました。キム・ミンテが富居に下げた際、エリソンが猛烈にプレスをかけ、ボール奪取に成功。富居に体をつかまれながらも、エリソンは倒れることなくフィニッシュ。その屈強さがゴールに結び付きました。

以降は湘南のラインが下がり気味となり、川崎が比較的優位にゲームを進めます。

湘南の交代選手、鈴木淳之介のシュートが阿部浩之に触れてゴールかと思われたシーンは、VARの結果、阿部のオフサイドとジャッジされて救われました。

一方、ボックスまで攻め入っての脇坂のシュートは富居の手に触れてクロスバーを叩き、依然として1点差の状況が続きます。

終盤はホームチームが前方のサイドへのロングボールを主体に攻めてきました。川崎は家長昭博、橘田健人をはじめ、チーム全員の頑張りで凌ぎます。

アディショナルタイムに入ると、川崎は相手陣内でキープし、時計を進めるプレーを心掛けました。そして、AFCチャンピオンズリーグで受けた傷をさらに大きくすることなく、リーグ開幕戦を勝利で飾ったのです。