是が非でも取りたいタイトルのために力を尽くした川崎が、4-2で勝利して決勝進出を果たしました。

試合の入りは順調でした。ボールの循環がスムーズで、早々にコーナーキックを獲得。脇坂泰斗のキックに山村和也が合わせて先制します。

幸先のいいスタートを切れたことで、しばらくは余裕を持ってゲームを進められました。中央から攻める形もできていて、脇坂のスルーパスに反応したマルシーニョが村上昌謙に倒されてPKを得ます。

ところがレアンドロ・ダミアンが村上にPKを阻まれると、ムードが一変しました。福岡が活気を取り戻したのです。

ピッチの幅を使った攻めを見せていた福岡は、登里享平のスローインのボールを奪って流れるような崩しを披露。最後は金森健志のシュートで同点に追い付きます。

公式戦では負け試合の多い今シーズンだけに、会場となったホームスタジアムに淀んだ空気が漂い始めました。

ハーフタイムでの切り替えがうまくいかずに後半の入りも悪く、福岡ペースで始まりました。ここで逆転を許していたら、川崎は立ち直れなかったでしょう。

この悪い流れを引き戻したのが家長昭博でした。ここ2試合は温存ではない理由で欠場した模様ですが、大事なこの一戦には間に合った背番号41。ボールをキープし、保持する時間を増やしてチームを安定させました。

落ち着いてきたところで橘田健人のミドルが炸裂。奈良竜樹に当たって入ったとはいえ、先日の蔚山現代戦に続く豪快な一撃でした。再びリードできたことで空気も変わります。

70分、福岡のコーナーキックからの攻撃を守り切るとチョン・ソンリョンがロングキック。中央に正確に蹴り出されたボールにマルシーニョが追い付き、飛び出しが中途半端になった村上の前でループシュートを放ちます。ボールは転々としながらゴールに入りました。

試合を決定づける3点目が入り、ベンチメンバーを中心に得点したマルシーニョに駆け寄る一方、貴重なアシストをしたチョン・ソンリョンを讃えに行くメンバーもいました。

とどめは脇坂のコーナーキックに合わせたレアンドロ・ダミアンの叩き付けるヘディングでした。苦しいシーズンを送っていて、PK失敗もあっただけに喜びを爆発させ、思わずユニフォームを脱いでしまいました。

高井幸大を入れて3-5-2に変え、逃げ切りをするはずが終了間際に失点したのは今後への反省点ですが、ともあれ勝ち上がりこそが最も大事な試合を90分で勝ち切りました。

決勝は2ヵ月後の12月9日。先に進出を決めた柏レイソルとの対戦です。