中3日で蔚山現代との一戦が控えているためか、川崎はそれをにらんだような人選になりました。最終ラインの台所事情が苦しい中、大南拓磨が不在で、ゲームのペースをコントロールできる家長昭博もいません。

試合はピッチの幅を広く使いながら、ライン間に人数をかけて崩す新潟に主導権を握られます。6分の決定機を皮切りに、クリスマスツリー型で守る川崎を翻弄しました。

それでも中盤でボールを奪い、遠野大弥が一気に前線に出すと、小林悠には通らなかったもののコーナーキックを獲得。その流れでジョアン・シミッチが先制点を奪います。

苦しめられながらリードすることができた川崎でしたが、そこから三戸舜介が牙を剥きます。

30分、対峙する脇坂泰斗との間合いを少しだけ取ると、右足を振り抜き、強烈な弾道のロングシュートがポストを叩きました。このこぼれ球にすばやく反応した鈴木孝司に同点とされてしまいます。

一時は試合を引っ繰り返す新井直人のゴールも、ボックスに入った三戸のコンパクトな振りから放たれた一撃が、チョン・ソンリョンを襲ってコーナーキックとなったことで生まれました。

川崎は40分頃から4-4-2にシステムを変え、さらに選手交代をしながら立ち位置を変更していきました。66分の二枚替えで、今度は湘南ベルマーレ戦と同じ3-5-2へと変化します。

中盤から前の人数を増やし、ボックス内では山田新の体の強さが生きてPKを得ます。これを山田が自ら決めて同点に追い付きました。

しかし遠野が足をつって瀬古樹に交代した直後、太田修介がボックスの手前から放ったシュートがネットに突き刺さり、再び新潟がリードしました。

痛恨のシーズンダブルを回避すべく、川崎は攻めに出ますが、左ウイングバックに変わった田邉秀斗が得たフリーキックも同点弾には結び付かず、タイムアップとなりました。

この敗戦により、リーグ優勝の可能性は完全になくなりました。昨シーズンは辛うじて最終節まで望みをつないでいただけに、今回は早い段階での終戦です。