中断期間中は公式戦がなく、約2週間ぶりの実戦となった川崎。ついにバフェティンビ・ゴミスがチームの一員としてピッチに登場します。

前半は主にマルシーニョのスピードを生かす戦いを選択。チョン・ソンリョンの左サイドへのロングキックから一気に東京ゴールに迫る場面もありました。

対する東京は縦への意識が強く、手数をかけずに川崎ゴールに向かって攻めてきますが、最終ラインの背後はチョン・ソンリョンがケアしていました。

最初の45分はVARで川崎の得点が認められないシーンもあり、スコアが動きません。

後半、ゴミスのバックパスがタッチラインを割り、東京ボールになるも、川崎はそれを跳ね返して反撃します。脇坂泰斗が自陣で巧みに相手をかわし、マルシーニョへパスを送ると、森重真人との1対1を制してフィニッシュ。待望の先制点が生まれました。

直後にはファウルを受けたゴミスのクイックリスタートで、瀬古樹とマルシーニョがシュートを放ちますが、ヤクブ・スウォビィクに阻まれます。

新加入の元フランス代表は、62分にレアンドロ・ダミアンと交代。ボックス内での怖さはまだ見られませんでしたが、ポストプレーでファウルをもらってでもマイボールにする確率が高く、今後が楽しみです。

ビハインドになった東京が躊躇なく選手を入れ替えるのに対して、この日の鬼木達監督は積極的にはカードを切りません。ジョアン・シミッチの出番はなく、2人目以降の交代は残り10分になってからです。AFCチャンピオンズリーグでのターンオーバーを考えて、先発メンバーを引っ張ったのかもしれません。

試合を楽にする2点目は奪えなかったものの、足をつらせる選手が続出する中で確実に時計を進め、ウノゼロで川崎がホームでの多摩川クラシコを制しました。完封できた要因として、チョン・ソンリョンの二度のビッグセーブを忘れてはならないでしょう。

リーグ戦ではまった長いトンネルからはようやく抜け出せました。中位にとどまるこのコンペティションに関してはモチベーションの維持が難しいかもしれません。それでも一戦一戦、力を尽くして順位を少しでも上げていくしかありません。