どういう状況であれ、連敗は避けたい一戦でした。しかし、川崎はハーフタイム前後に食らった二発のカウンターに沈んでしまい、シーズン6敗目を喫します。

この日は出場できない大南拓磨、ジョアン・シミッチ、脇坂泰斗に加えてマルシーニョも不在という中、ピッチに立った選手の奮起が求められる90分でした。

瀬古樹のミドルを皮切りに川崎が攻勢に出る流れをつくりますが、真ん中を厚くした5-2-3で待ち構える横浜FCの陣形を思うように崩せません。

継続して相手陣内のサイドでショートパスをつないで穴を探すも、ホームチームは簡単には乱れないため、肝心のボックスへの侵入ができずに時間が過ぎていきます。

横浜FCは遠目からのセットプレーしか攻め手がなかったところ、やがて放たれた長谷川竜也のミドルが両者にとって最初の決定機になります。ここは山村和也の頭をかすめてクロスバーを叩きました。

シュートの形ができて風向きが横浜FCに変わると、長谷川も絡んだカウンターで、伊藤翔のパスを受けた井上潮音が落ち着き払ったボールコントロールを見せて先制します。44分のことでした。

後半開始直後にも山下諒也のスピードに車屋紳太郎が振り切られて失点。今節も2点のビハインドを背負います。

鬼木達監督はすぐさま動いて久々の登場となる佐々木旭と瀬川祐輔を投入。家長昭博のベースポジションをトップ下に変えます。

家長に中央で自由を与えた格好ですが、交代時に大島僚太が下がった影響か、家長頼みのプレーが増え始めました。全体の運動量と連動性が回復するには、小林悠が送り込まれて2トップに変わった76分まで待たなければなりませんでした。

その間に瀬古がコースを狙ったフリーキックで1点を返しますが、次の1点が遠いままでした。

小塚和季の鋭いフリーキックに小林が合わせた場面はスベンド・ブローダーセンの好セーブに阻まれ、以降の迫力ある怒涛の攻撃も得点には結び付きません。山村を前線に上げてのパワープレーも実らずタイムアップとなりました。

出番を与えられた選手たちは結果を出そうとはしていました。それだけに報われない敗戦となったことが残念でなりません。