冷たい雨の降る中でホーム初勝利を目指し、後半になってから奮起したものの、前半の不出来が尾を引いて敗れてしまいました。

この日はセンターバックの一角に高井幸大を、右ウイングには永長鷹虎を起用。家長昭博をトップに据えた4-3-3でスタートしました。

川崎はビルドアップによる丁寧な組み立ては控えめにすることで、ショートカウンターを食らっての不用意な失点を防ごうとします。

しかし9分、相手陣内で永長のパスを米本拓司に引っ掛けられると名古屋がカウンターを発動。一気に攻められキャスパー・ユンカーに先制されます。

取られたら取り返す勢いが欲しいところですが、前半の川崎はまたしてもボックスに踏み込む回数が少なく、5-2-3で構える名古屋守備陣を崩せません。

クロスを上げては簡単に跳ね返され、ミドルどころかシュート自体も少ないまま45分が経過します。

途中、宮代大聖がファウルを受けた後、右で苦労していた永長を左、家長を右に変え、右サイドでの山根視来、脇坂泰斗との連携に期待する動きもありましたが変わりません。

残り1分のアディショナルタイムで小塚和季がマテウス・カストロにファウルを犯すと、マテウス自らフリーキックを叩き込み、点差は2に広がります。せめて1点ビハインドでロッカールームに戻りたかった場面だっただけに痛恨の失点です。

後半も形勢が変わらない中、鬼木達監督が60分にもならないタイミングで大胆な4枚替えを行おうとします。それを知ってか、ピッチにいるプレーヤーが鋭い攻めで中央を攻略。宮代が決めて1点差としました。

追い付く可能性が出たため、4人同時交代はひとまず取り止めになりますが、同じメンバーを2人ずつ段階的に呼んで交代が行われます。

74分に佐々木旭とジョアン・シミッチが入った際には3バックにシステムを変更。おそらく4枚替えした際には実行したであろう変化をピッチに施します。

川崎は得点を奪うために果敢に攻め、宮代、シミッチが際どいシュートを放つも、ミッチェル・ランゲラックに阻まれました。

終盤は高井が前線に上がっていき、コーナーキックの機会もあったのですが、守備固めを進める名古屋相手に同点にさえ追い付くことなくタイムアップとなりました。

今シーズンの出来を考えると、無得点に終わらなかった点は辛うじてポジティブにとらえられるとはいえ、様々な梃入れが勝ち点に結び付かない点は無視できません。難題を抱えたまま次節もホームで戦います。