執拗でアグレッシブな札幌のマンマークは脅威でした。前半の前半は特に苦しみ、川崎がまったくと言っていいほど持ち味を出せません。

ビルドアップでは何度も引っ掛けられ、自陣での不用意なファウルも増え、福森晃斗にフリーキックの機会を与えてしまいます。

7分、相手コーナーキックの際、山田新のクリアが中途半端になったことで結果的に先制を許しました。またしてもビハインドの展開です。

この日の川崎は4-2-3-1ながらFWの山田と宮代大聖をサイドに、遠野大弥をトップ下、家長昭博を最前線に配すという珍しい並びでした。両サイドハーフはタッチライン際で幅をとるよりも、盛んにゴール前中央に入っていきます。

指揮官の期待に応えるように、山田と宮代が絡んで得点を奪いました。また、次第に球際の激しさがチーム全体で出るようになり、高い位置でのボール奪取から家長のループシュートにつながります。

2-3のリードで折り返すと、ハーフタイムで仕切り直しが行われ、後半はハイプレスで主導権を握り返しにいきます。

加えて立ち上がりから飛ばした札幌の守備の強度がさすがに時間とともに低下したこともアウェイチームには救いとなります。

不用意なファウルからフリーキックを与え、途中出場のキム・ゴンヒに決められ同点に追い付かれはしましたが、ここから鬼木達監督は次々と交代カードを切っていきます。

まずはシステムを変えずに瀬川祐輔と小林悠を同時に入れ、次に車屋紳太郎とジョアン・シミッチを送り込んだ際に3-5-2に変更。前への圧力を強めます。

そして、まだプレータイムが限られているであろうレアンドロ・ダミアンが83分に登場。前線に攻守両面の迫力を加えました。

3分後、3バックになり前に出やすくなった田邉秀斗がクロスを入れると、小林悠と同時に飛んだ瀬川が合わせて勝ち越しに成功します。

残り時間は札幌が最後の力を振り絞って猛攻を仕掛けます。ミラン・トゥチッチ、中島大嘉も加わり、前線にアタッカーを増やしてきました。

小林悠が負傷退場して10人となった苦しい中でも選手は体を張り、瀬古樹が放り込みを封じる守備を見せるなど、懸命にリードを死守しようとします。そうしてアディショナルタイムを凌ぎ切りました。

前回対戦では3点取っても勝てませんでしたが、今回は4点奪って勝利しました。今シーズンは得点が少なく、それゆえ勝利に結び付かないゲームが多いだけに、これが浮上へのいいきっかけとなるでしょうか。