今大会までで日本はワールドカップでグループステージ21試合を戦ってきましたが、ノックアウトステージは今回でまだ4試合目です。強豪を下して今まで以上に自信を持って挑んだ一戦は、PK戦の末、大会から去らなければならない結果となりました。

体調不良の久保建英、出場停止の板倉滉に代わって堂安律、冨安健洋が入ったほかはスペイン戦と同じメンバーで臨んだ日本。もはや慣れ親しんだ感すらある3-4-2-1の形で違和感なくゲームを進めます。

前半、攻撃ではウイングバックの伊東純也や長友佑都がサイドからクロスを入れるシーンはあるものの、流れの中では決定的なフィニッシュにつながりません。

それでも獲得したリスタートには工夫を凝らし、変化に乏しかった過去とは決別して、様々なパターンを見せていきます。この地道な積み重ねが実ったのが、ショートコーナーからの前田大然の先制ゴールでした。

トップの選手が取ることで勢いを増したいところでしたが、そこから後が続きません。逆にエンドが変わった後半、デヤン・ロブレンの正確なクロスにイバン・ペリシッチが頭で合わせてクロアチアが追い付きます。

日本は三笘薫という切り札があり、64分からピッチに入った三笘は期待に応えるべく仕掛け続けました。持ち込んで強烈なミドルで相手を脅かしたりもしました。ただ、チームとしてさらなる脅威は与えられず、背番号9頼みになってしまいます。

また酒井宏樹を入れてから堂安が下がるまでの間、伊東と三笘が同じサイドに立つことになり、両サイドを生かした効果的な攻めを繰り出せなくなりました。

日本は99分にクロアチアのキープレーヤーであるルカ・モドリッチとマテオ・コバチッチを下げさせるまではできたものの、だからと言って以降の日本が中盤で優位に立てたわけでもありませんでした。

日本には最後のところ、相手ボックス近辺での脅威が足りませんでした。自陣での小さなミスが大きな綻びにならない守備はできましたが、得点を奪えなければ勝ち上がれません。

最終的にPK戦までもつれてしまい、緊張感の高い大舞台での経験不足ゆえか、3人がドミニク・リバコビッチに止められ、あまりにもあっけなく敗れてしまいました。

グループステージで快進撃を見せただけに、非常に悔やまれる敗退です。未踏のベスト8へはまたしても進めませんでした。

日本の今大会は終わりました。とはいえ、日本サッカーはまだまだ続いていきます。次回から出場国が増えてグループステージの戦いも変わりますが、何度でもチャレンジして壁に挑むしかありません。