今シーズンは苦しみながら辛くも勝ち点3を獲得する試合が大半でしたが、この日は久々に破壊力抜群の川崎を見せてくれました。

川崎はここのところ多用していた後方からのロングパスをほとんど使わず、得意のショートパスを軸に序盤から攻め込みます。

ただ、サイドの深い位置から山根視来や家長昭博がクロスを上げるまではいくのですが、シュートには結び付かないまま時間が流れました。

先制したのは飲水タイム明けの26分でした。ジエゴの中野伸哉へのパスがずれたのを山根が見逃さず、ダイレクトで家長のもとへ出します。家長は右足でクロスを上げ、中央で知念慶が体を投げ出してフィニッシュ。豪快な一撃が試合を動かします。

以降も主導権を握ってゲームを進めます。その中でクロスを上げた家長や普段から意識している谷口彰悟だけでなく、複数の選手が逆足も使いながらテンポを崩さないようにボールを動かしているのが目につきました。こうした姿勢が積み重なって日々成長を遂げているのだと感じられました。

前半終了間際の鮮やかな崩しからのマルシーニョのゴールはオフサイドで取り消しになりましたが、いいムードでハーフタイムを迎えます。

後半立ち上がりには脇坂泰斗のコーナーキックをジョアン・シミッチが合わせて加点します。直近の鹿島アントラーズ戦では同じようなフィニッシュをクォン・スンテに阻まれましたが、今度は成功です。鳥栖が人とシステムを変えてきた直後のゴールでした。

さらに56分、森谷賢太郎のフリーキックが家長に当たるとこぼれ球を脇坂が前方に大きく蹴り出します。ボールに向かってはマルシーニョが勢いよく走っており、追い付くと目の前の朴一圭が飛び出しているのを逃さずループシュートを放ちました。これで3-0です。

こうなるとベンチは過密日程を考慮した交代を進めます。まず2アシストの脇坂、そしてマルシーニョを下げ、さらにはジェジエウ、谷口をも休ませました。

そうした中でも谷口が退く直前の87分、相手センターバックとサイドバックの間を通した車屋紳太郎のスルーパスを宮城天が受けてクロスを入れ、小林悠が中央でつぶれたこぼれを大島僚太が蹴り込んで4点目を奪います。途中投入の選手が絡んだ攻撃でした。

このままクリーンシートで鳥栖を破り、暫定ながら首位に浮上しました。次はホームで4失点を食らった湘南ベルマーレとの対戦です。