ミッドウィークのサガン鳥栖戦が中止となり、試合間隔が1週間空いた川崎。ここのところ流れが悪く、切り替えるにはいい期間になったはずです。ただ、鬼木達監督がベンチ入りできないため、寺田周平コーチのもとで戦うこととなりました。

この日はアンカーの位置から絶妙なパスを連発する大島僚太が不在でそこに橘田健人が入り、レアンドロ・ダミアンとマルシーニョがスタメンに起用されました。

すると先発起用に応える形で6分に幸先よく先制に成功します。チャナティップ・ソングラシンの浮き球のパスに反応したマルシーニョが右足アウトサイドでパスを出し、レアンドロ・ダミアンが合わせました。

直後、奥野耕平が脇坂泰斗に向かって足を上げて退場処分になり、川崎にとっては追い風が吹いた格好になります。

数的不利になったガンバが4-4-1、4-3-2とシステムを変える中で、ホームチームは意に介せず着実に得点を重ねました。

特に躍動したのが脇坂でした。マルシーニョの得点につながる鋭い縦パスをレアンドロ・ダミアンにつけただけでなく、自らもマルシーニョがスルーした佐々木旭のパスをダイレクトで合わせてゴールを奪いました。

もう一人のインサイドハーフ、チャナティップは鋭い動きを見せてディフェンスで貢献します。チーム加入当初は空回りもあったのか、ファウルとそれによる警告が目立ちましたが、それもなくなってきました。

36分には脇坂のコーナーキックが流れると、家長昭博が右足での美しいバイシクルを決めます。早くも4-0とし、前半の段階で試合を決めてしまいました。

よほどのことがなければ勝ち点を落とさないシチュエーションとなったためでもあるでしょうが、後半はここ数試合同様に攻撃の迫力がトーンダウンしました。

加えて東口順昭の好セーブが光り、橘田のミドルやレアンドロ・ダミアンのヘッド、チームが連動して放った遠野大弥のシュートも防がれてしまいました。また小林悠のシュートはクロスバーを叩きます。

とはいえ、大きな負傷を負った選手が出ないでクリーンシートで試合を終えられましたし、知念慶と長期離脱していた登里享平が途中出場で復帰を果たすという明るいトピックもありました。

もちろん欲を言えば、今後への大きな弾みとすべく5点目を取りたかった後半でした。最後の最後まで強烈なインパクトを残せれば言うことなしだったはずです。