過酷なスケジュールでのAFCチャンピオンズリーグが日本勢唯一の敗退に終わり、コンディション的にもメンタル的にも厳しい状況で迎えたゲームですが、確実に勝ち点3を取りました。

川崎はまだ体が動ける立ち上がりから攻守にわたって積極的に戦いました。開始直後のレアンドロ・ダミアンのプレスにも普段以上の勢いがあり、家長昭博、マルシーニョも機を見て相手を追い回します。

一方、清水はハイプレスをかけてこないため、最終ラインのボール回しにはさほど規制がかからず、順調に動かすことができました。車屋紳太郎の配球も冴え渡り、効果的なパスが繰り出されます。ボールが転がりやすいピッチコンディションも助けとなりました。

いい流れで試合を進める中で14分にゴールが生まれました。権田修一のゴールキックを佐々木旭が競り勝って遠野大弥に渡します。遠野はレアンドロ・ダミアンにパスを出し、背番号9は体を投げ出すようにして胸で落とすと、それを脇坂泰斗が受けます。

脇坂はボックスの中の家長に預け、自らもゴール前へ。家長が相手を背負いながらキープしたボールを再び受け取りフィニッシュ。ニアサイドに豪快に突き刺しました。

リードしたことで余裕ができ、優位に試合を進めます。32分、脇坂がボックス手前で動きを止め、左サイドから走り込んでいたマルシーニョに完璧なパスを届けました。マルシーニョのダイビングヘッドが決まって2点差とします。

その後、41分の中央を強引に破られてのチアゴ・サンタナの強烈なミドルシュートはポストに救われ、0-2のままハーフタイムを迎えました。

後半は序盤ほどのインテンシティは発揮できなくなり、残り30分を切ったところからジョアン・シミッチと知念慶の同時投入を皮切りに選手交代で逃げ切りを図ります。

以前はノルマとさえ言われた、とどめを刺す3点目こそ奪えませんでしたが、鬼木達監督は交代枠をフルに使い切り、前線の選手を総入れ替えして、プレー強度を可能な限り保ちました。

押される展開となった川崎にとってはしばしば山原怜音のクロスが脅威になったものの、最後のところで合わずに事なきを得ます。

リーグ戦に再び参戦した最初の試合をクリーンシートで勝ち切り、16人のプレーヤーで乗り切りました。次節からの連戦に向けて弾みとなる大きな一勝です。