次のラウンドに進むためには絶対に落とせない一戦でした。川崎はそれを見事な勝利で、今シーズン最高のパフォーマンスで終えてみせました。

過密日程でやり繰りの難しい中、鬼木達監督は守備の安定を確保しつつ、攻撃陣は比較的フレッシュな面々を起用しました。2試合続けてベンチからも外れていた家長昭博も初戦以来の復帰となりました。

立ち上がりはジョホールにボールを持たれたものの、10分頃から主導権を握りだします。その中で好位置のフリーキックを獲得。脇坂泰斗が直接叩き込んで先制しました。背番号14を背負った今シーズンは公式戦でゴールがありませんでしたが、大事な試合で決めてみせます。

得点は選手を変えるもので、脇坂のプレーに躍動感が生まれます。同様に広州FC戦で移籍後初ゴールを決めていたチャナティップ・ソングラシンも中盤で効果的な動きを見せていました。

チーム全体も流れに乗り、31分には家長、脇坂、山根視来が絡んで、最後は小林悠が右足を伸ばして加点します。川崎らしいスムーズな連携が発揮されたシーンでした。

さらに43分、家長に預けた瞬間に山根が猛スピードで相手最終ラインの背後をとり、パスを受けてクロスを上げると小林がきっちり合わせて3点差とします。

前半のうちにリードを広げられたことで、後半は優位に試合を進められました。無理をせずにボールを確実に動かし、ベンチワークでも余裕を持って家長を早々に休ませることができました。

スコアはしばらく動きませんでしたが、終盤になってチャナティップが存在感を増します。チーム4点目となるマルシーニョへのアシストを得意のドリブルから記録すると、88分には自らも得点を挙げました。

川崎は最後まで集中を切らさず、非常に充実した状態でライバルのジョホールを下しました。77分から中盤に入った塚川孝輝、小塚和季も安定したプレーで貢献しました。まだ決して気を抜ける状況ではないものの、次の蔚山現代戦に向けて弾みのつく快勝です。