日本勢の先陣を切ってアジアでの本戦に臨んだ川崎は、相手にコーナーキックを一度も与えずにいながらロングボール一発に沈められかけましたが、辛くも勝ち点1を獲得しました。

川崎は6日前の柏レイソル戦と同じく橘田健人とジョアン・シミッチを横並びにした4-2-3-1でスタートします。コンディションが心配されたマルシーニョもスタメンでした。

蔚山は盛んに川崎の最終ラインの背後に勝負を仕掛け、21分には後方に下がったパク・ヨンウのロングパスをレオナルドが収めてフィニッシュ。これで先手を取ります。

川崎は4-4-2でブロックをつくる蔚山に向かって攻撃に出るも、ペナルティボックスまで近付きながら最後のところで迫力を欠いて得点を奪えません。

後半は橘田をインサイドハーフにした4-3-3に変更。選手交代をしないでシステムを変え、前方に人数をかけて相手にプレッシャーを与えます。暑さを考慮してか自重気味だったプレー強度も同時に上げます。

ただ、決して多くはなかった決定機も蔚山のゴールを守るチョ・ヒョヌに防がれました。シミッチのロングパスをマルシーニョが受けて、レアンドロ・ダミアンがシュートにつなげた場面も決まりません。

鬼木達監督は63分に柏戦で出番のなかった脇坂泰斗を遠野大弥に代えて送り込み、その6分後には3人同時交代を行います。ここで車屋紳太郎、知念慶、宮城天が入りました。知念は右ウイングに立ち、家長昭博が中盤に下ります。

最終的には小林悠もピッチに入り、しばらくして知念との2トップに変更。時間をかけてプレーする蔚山に焦れることなく、一気にボールを送り込んでゴールを奪いにいきました。

宮城の強烈なボレーシュートはチョ・ヒョヌに阻まれ、後がなくなりかけた川崎。しかし、脇坂のコーナーキックをチョ・ヒョヌがまさかのキャッチミス。こぼれ球を車屋が押し込んで同点に追い付きました。肩の負傷からの復帰を自ら祝うゴールでした。

今季、公式戦のドローゲームはいずれも相手GKのミスを突いた形になっていますが、それだけ最後までしぶとく粘り強く戦っている証でもあります。

苦労はしましたが、蔚山に勝ち点3を与えることなく試合を終えることができました。総力を挙げての90+4分の得点ということで、川崎はチームのムードも上昇するでしょう。