連戦の一区切りとなるガンバ戦は、ここまでタフな戦いが続いていた川崎の動きが重く、スムーズにゲームを進められませんでした。

特に序盤は川崎にアタッキングサードでのミスが見られ、効果的な攻撃を仕掛けられずにいました。しかし、20分過ぎあたりから両サイドを使った攻めにリズムが出始めます。

それでも先制したのはガンバでした。34分、高尾瑠のクロスを谷口彰悟が跳ね返すも、そのボールを山本悠樹にダイレクトで合わせられました。

追い付きたい川崎は自陣でチャナティップ・ソングラシンが相手に囲まれながらも小回りの利いたドリブルで剥がし、カウンターの起点になったものの攻撃を完結できずに終わります。

流れが大きく変わったのは後半に選手交代を行ってからでした。宇佐美貴史が負傷してプレーが中断したところで、鬼木達監督は3枚替えを決断。ここで中盤に入った家長昭博がボールを持ちながら時間をつくり、相手を冷静に見ながら攻撃の糸口を探しました。

家長のおかげで主に右サイドが活性化した反面、交代時に右ウイングから左に移っていた知念慶が消えてしまいました。そこで左ウイングに仕掛けが持ち味の宮城天を送り込みます。

投入からわずか2分後、小塚和季がボックス手前を横切って出したパスを宮城が受け取り、小野瀬康介を切り返しでかわしてフィニッシュ。ついに同点に追い付きました。

安堵したのもつかの間、今度は逆に小野瀬が宮城につかれている中で勝ち越しゴールを奪います。ボールは宮城に当たって軌道が変わりました。またもクリアした後のセカンドボールを生かされての失点でした。残り時間は15分を切っています。

小林悠のパスを宮城が頭で合わせるもポストを叩くなど、運にも見放されて時間ばかりが過ぎます。それでも川崎の選手はタイムアップの瞬間まであきらめていませんでした。

90+5分、石川慧がボールを地面に放した瞬間、その背後に気配を消して立っていた小林が猛然と走って奪い、それを受けたレアンドロ・ダミアンがゴールへと蹴り込みました。アディショナルタイムが終わろうとしていた中での同点弾です。

土壇場で勝ち点1を得た川崎は、序盤の5連戦を3勝1分1敗で終えました。スタートダッシュとまではいかないものの、まずまずの滑り出しに成功しました。