3週間経たないうちにリーグ戦で勝ち点3をかけてぶつかる相手とのゲームということで、鬼木達監督としてはどういう出方をするか難しい部分も少なからずあったはずですが、人選に関しては出し惜しみしませんでした。スコットランドに旅立った旗手怜央の抜けた穴を埋める形で、新加入のチャナティップ・ソングラシンを左ウイングに起用します。

しかし、川崎にとっては中盤の底で運動量豊富に動き回れる橘田健人の不在が大きく響く90分となりました。移籍が噂されながら残留したジョアン・シミッチが同じ位置で先発し、久々の出場でチームのために尽くそうとはしていましたが、ボールをうまく前進させられずに前半だけで交代することとなります。

チーム自体も試合の入りはあまりよくなく、規律の取れた浦和の守備に圧倒されて自陣からほとんど出られない時間帯に先制を許してしまいました。

失点シーンは昨シーズンのホームゲームでつくられた決定機を思い出させるものでした。酒井宏樹に深い場所からクロスを入れられ、中央でフリーになった江坂任に決められます。

ゴールを奪われて目が覚めたのか、川崎はそこからギアを上げ始めます。それでもどこかまだ本調子ではないのか、相手を圧倒しきることができません。中央で構えるレアンドロ・ダミアンにボールを集めることもままならないまま時間ばかりが過ぎていきます。

ハーフタイム明けにはシミッチのいた場所に大島僚太を配し、チャナティップをインサイドハーフに変え、新たにマルシーニョを左ウイングに投入しました。

チャナティップはハーフスペースや中央にいる方がタッチライン際にいるよりは動きやすそうで、大島、脇坂泰斗と巧みに絡みながらボールを動かしていました。

ただ、チームとしては肝心のペナルティエリアの攻略に手こずります。たとえば、マルシーニョは積極果敢にドリブルを仕掛ける選手ですが、対峙する酒井を翻弄するには至らず、効果的な突破ができませんでした。

0-1で動かないまま推移する中、鬼木監督は残り20分になると得点を狙いに行きつつも今後をにらんだ選手起用にシフトし始めます。71分には脇坂とレアンドロ・ダミアンを下げて瀬古樹、知念慶を送り込みました。

フレッシュな選手を使って攻め込むものの、81分にカウンターから再び江坂にゴールを許します。直前のプレーで腕を引っ張っても止められなかった明本孝浩に対する車屋紳太郎のコンタクトが甘くなり、ラストパスを出させてしまいました。

結局、このままリーグ屈指の攻撃力は封印されて終わりました。シュート数は浦和と同じ8本にとどまり、西川周作を慌てさせる機会はありませんでした。

単にこれが本調子ではないことによる敗戦であればいいのですが、状態が上がらずに今日のような戦いが続く場合、難敵との対戦が目白押しの序盤でスタートダッシュに失敗する危険性もあります。