すでに順位が確定している両者の激突は、オープンに攻め合う形でスタートしました。当初はどちらも譲らない戦いを繰り広げます。

ところが川崎は車屋紳太郎が早々に負傷して11分に山村和也と交代を余儀なくされ、約1ヵ月前のサガン鳥栖戦でのジェジエウに続くセンターバックの離脱にチーム内に動揺が走ります。

この試合のみならず先々のことを考えてしまったのか、山村は決定的なシュートを放つなど問題なく戦っていたにもかかわらず、チーム全体としてはプレーの安定感を欠き始めて横浜FMに付け込まれてしまいます。

その後、ハーフタイムまでは完全に相手に主導権を渡す格好となりました。脇坂泰斗は窮屈な局面でもボールをキープしますが、一人では如何ともしがたく苦しみます。

幸いにも被決定機は少なく済んだ川崎。鬼木達監督は前半苦しんでいたマルシーニョと旗手怜央のところを修正します。マルシーニョを下げて大島僚太を投入し、中盤でミスが目立った旗手はピッチに残して左ウイングに移しました。

この交代が的中し、大島が川崎にリズムをもたらして攻勢に出られるようになりました。前半の劣勢が嘘のようにアウェイチームが盛り返したのです。

そして67分、山村がスペースに出したボールを家長昭博が受け取り、右足で中央にクロス。レアンドロ・ダミアンが高丘陽平のタイミングを外すような叩き付けるヘッドで先制しました。試合を動かすとともに前田大然との得点王争いでも一歩リードします。背番号9は喜びながら家長を称えました。

しかし7分後、家長のハンドで与えたフリーキック時に対応が遅れます。準備がままならない状態でリスタートを許し、最後はこぼれ球を前田に決められてしまいました。ここまでチームを救っていたチョン・ソンリョンも止められませんでした。

終盤は是が非でも2点目を取りたいケヴィン・マスカット監督が積極的な交代策をとると、鬼木監督も応戦。4-3-3のシステムは変えずにアタッカーを次々と送り込みました。

そこで機能したのが左ウイングに入った知念慶でした。時間を使う意味で以前同じ位置を任された際はキープに徹していましたが、この日は左サイドで効果的な働きを見せます。新たな可能性を感じるプレーぶりでした。

結局、両者に2点目は生まれず、家本政明主審の最後の笛が鳴りました。レアンドロ・ダミアンは前田とともにシーズン23ゴールで得点王に輝きます。