80分に奥埜博亮にゴールを許し、クリーンシートとはならなかったものの、前節のサガン鳥栖戦での不甲斐なさを払拭するプレーを選手全員が続けて1-4で勝利を収めました。

キム・ジンヒョンの好守に阻まれることが何度かありながらも記録した4ゴールは、いずれも得点の欲しい時間帯に奪いました。川崎らしい流麗なつなぎをきっかけにレアンドロ・ダミアンが2ゴールを挙げ、マルシーニョもリーグ戦初ゴールを記録。1点失った5分後には遠野大弥が瀬古歩夢の当たりに負けずニアゾーンから上げたクロスに宮城天がダイレクトで合わせて試合を締めくくりました。

4得点を挙げたのは、リーグ戦では4月末の名古屋グランパス戦以来、公式戦で見ても7月のAFCチャンピオンズリーグ、北京FC戦以来となります。東京オリンピック後では初めてです。

この日の川崎は前線からのプレッシャーの強度が非常に高く、セレッソを長い時間自陣に押し込みました。中でもピッチを縦横無尽に走って奮闘していたのが橘田健人です。背番号22のルーキーは激しく粘り強い守備で大きく貢献。全体のバランスを見つつ躍動していました。

攻撃面でも橘田からの配球は優れていて、2点目はボール奪取から得点の起点になり、また、左サイドに張っているマルシーニョへの効果的なパスも繰り出していました。

インサイドハーフの脇坂泰斗、旗手怜央は中盤での周囲と連動した動きのみならず、チャンスと見るや前線に駆け上がり相手ゴール前で厚みをもたらしました。

後半頭からセレッソは現役引退を表明したばかりの大久保嘉人が登場するも、守備陣の冷静な対応で封じます。最後尾のチョン・ソンリョンは好セーブで相手の枠内シュートを防ぎ、残り10分になるまでゴールを許しませんでした。

代表組の不在もありながら、インターナショナルマッチウィークの中断をうまく使って修正に成功した川崎。前節の負傷により長期離脱を余儀なくされたジェジエウのためにも、このまま残り2試合をいい形で終えて天皇杯に向かいたい流れです。