ミッドウィークに鹿島アントラーズとの天皇杯準々決勝を控える中、3週間ぶりの公式戦は現時点でのベストな11人で臨みました。川崎の試合の入りは落ち着いていて、いくらかはリフレッシュできた様子がうかがえました。マルシーニョと周囲との連携も以前よりスムーズになっています。

ただ前半はミドルゾーンまでは順調にボールを運べるものの、清水の中盤とDFの間が狭いこともあり、フィニッシュにつながる攻撃は決して多くありません。ゴールに迫ったのは2本の直接フリーキックと旗手怜央のニアゾーンからの強烈なクロス、それに脇坂泰斗のコースを突いたシュートくらいでした。

結果、スコアレスでハーフタイムを迎えたため、後半はギアを上げてきました。ミドルレンジのパスを増やして揺さぶりをかけ、インサイドハーフの脇坂、旗手はより積極的に前に出ていきます。

戦う姿勢の変化がすぐさま結果に結び付きます。47分、ライン間に立った脇坂のクロスはファーに流れますが、拾ったマルシーニョは権田修一が迫るのを見てパスを選択。最後はレアンドロ・ダミアンがヒールで巧みに合わせてゴールを決めました。

先制したことで余裕が生まれ、前半よりもゴールに向かう意識が高まっていきます。また、ハーフタイム前は血気盛んでたびたびヒートアップしていた旗手も冷静さを取り戻していました。

試合を楽にするための追加点は奪えずにいましたが、ジェジエウ、谷口彰悟を擁する最終ラインは安定感抜群でピンチを生み出しません。チョン・ソンリョンが忙しかったのは、前半にカルリーニョス・ジュニオにミドルシュートを打たれた場面だけでした。

71分からは3ヵ月ぶりに大島僚太がピッチに姿を現しました。まだ100%のコンディションとは言えないかもしれませんが、随所に技術の高さを見せます。シーズン終盤に向かうチームにとって頼もしい背番号10が帰ってきました。

ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が切った交代カードは少ないものの、清水は残り少ない時間の中で1点を奪いに攻め込んできました。しかし、登里享平に代わって入った車屋紳太郎が左サイドで相手の攻撃をことごとく阻止して、事なきを得ます。

直後の試合で2位の横浜F・マリノスが敗れたため、連覇に王手がかかりました。夏場以降、追われる立場に苦しむ期間が長かった今シーズンですが、視界が開け、心理的には優位に立って戦いを進めることができます。