5日前の大分トリニータ戦で負傷交代したレアンドロ・ダミアンがスタメンに名を連ね、長期離脱中だった小林悠もベンチ入りを果たしており、チームの当面の不安は払拭された試合前でした。さらに東京オリンピックを戦った旗手怜央も戦列に復帰。現段階での陣容は整っていました。

しかし、上島拓巳が退場して高橋祐治が入るまでの5分間を除いては5バックを敷いた柏の守備を破れません。柏の守護神、キム・スンギュにも何度もシュートを阻まれました。

前半はレアンドロ・ダミアンにボールを集められずにミドルシュートが目立ち、ペナルティエリアの深い位置をとれずにいました。得点の可能性の高い、惜しいシュートは旗手の体勢を崩しながら放った1本のみでした。

後半になってニアゾーンを取りに行くプレーが出始め、相手ゴールにより近付くことはできたもののゴールには至らず、宮城天のラストパスを受けた脇坂泰斗のシュートは枠を外れ、積極的な仕掛けで再びボックスに進入した宮城のシュートはポストに嫌われます。

柏は後方に加えて中盤も中央を固めて守っていたため、谷口彰悟、ジェジエウからの縦に差し込む効果的なパスがほとんど出せませんでした。ダイナミックな動きも少なく、攻撃の形がややスローテンポになってしまいました。

逆に柏には川崎以上に大きな決定機を二度つくられます。そこは登里享平、ジェジエウらの奮闘によって防ぎました。

10人になってからの柏は守備に専念する戦い方を志向。数的優位を生かしたい川崎は、インサイドハーフを遠野大弥、橘田健人に代え、残り5分のところで車屋紳太郎と小林を投入しますが実りません。

5分あったアディショナルタイムも生かせず、1年半で21得点を挙げた三笘薫の移籍が正式に発表されて初めてのゲームは、今シーズン初のスコアレスドローに終わってしまいました。