10分にエンリケ・トレヴィザンとの駆け引きに勝ったレアンドロ・ダミアンの先制点が決まり、再開初戦で幸先のいいスタートを切ったかに思われました。ところがレアンドロ・ダミアンが左足の筋肉系の負傷により27分で交代を余儀なくされます。AFCチャンピオンズリーグで離脱した小林悠がまだ戦列復帰していないため、大きな痛手となりました。

ここから川崎は苦しい時間が続きます。自陣深くでボールを回収し、クリアではなく前線へのパスにして攻撃を仕掛けようにも前で、特に代わって入った知念慶のところで収まらず、たびたび大分のターンに戻ってしまいました。大分は40分にコーナーキックを獲得するなどして少しずつ攻めの糸口を見出してきます。

ハーフタイムを挟んでも状況は変わりません。ただ、ジェジエウ、谷口彰悟を中心としたディフェンス陣が相手に容易にペナルティエリアで仕事をさせなかったため、チョン・ソンリョンが慌てる場面はありませんでした。とはいえ点差はわずかに1点。何らかのアクシデントで失点するリスクはあります。

大分が新加入の梅崎司、増山朝陽らを送り込む中、鬼木達監督が動いたのは75分のことでした。車屋紳太郎、遠野大弥、宮城天と一気に3人を送り込んで停滞した流れを変えに出ます。

すると2分後、待望の追加点が入ります。宮城の仕掛けをきっかけにした攻撃から、最後はこぼれ球を拾った登里享平のやわらかいファーサイドへのボールに遠野が反応して決めました。先制後はシュートが枠に入らないことが多く苦しんでいましたが、ようやく2点目が生まれます。クロスには車屋がセンターバックに入ったため、アンカーにポジションを移した谷口も走り込んでいました。

終盤で安全圏に入った川崎は、ようやく落ち着いて時間を進められるようになります。その中心にはキープ力とゲームを読む力に優れた家長昭博がいました。あとは大分の隙をうかがいながらタイムアップを待つのみという状況をつくりだします。

試合はこのままクリーンシートで終わり、無敗記録を継続。川崎を追う横浜F・マリノスが清水エスパルスと引き分けたため勝ち点差を広げることにも成功しました。