互いに譲らない一戦はPK戦までもつれ、日本はキッカー全員が成功させた中で集中していた谷晃生のビッグセーブがチームを準決勝へと導いてくれました。勝利が決まるとフィールドプレーヤーが殊勲の谷のもとに駆け寄りました。

ニュージーランドは5-3-2でスタート。2トップのベン・ウェインとクリス・ウッドが日本の最終ラインにプレッシャーをかけてくる一方で、中盤は真ん中に選手が集まるため、サイドに加えてアンカーのジョー・ベルの脇にスペースが生まれます。ビルドアップで最初の守備ラインを突破できれば、堂安律や久保建英がそのエリアに落ちてボールを受けられました。

ただ、最終ラインは5枚だったことから最後のところで崩すのが難しく、崩せたとしてもシュートが枠に飛ばず、決定機にはなりません。

後半早々にキャプテンのウィンストン・リードが左膝の負傷でカラム・マッコワットと交代し、ニュージーランドは4-3-1-2にシステムを変更。日本にとっては苦労していたアタッキングサードの攻略がしやすくなるかに思われましたが、それ以上にロングボール主体で攻めてきたニュージーランドがつないで攻めるようになり、トップ下に入ったマッコワットにかき回されだしました。

森保一監督は、中山雄太と上田綺世を入れ、左サイドバックを務めていた旗手怜央を一列上げて攻守両面のてこ入れを行います。それでも失点こそしないものの深い位置まで入れずにミドルシュートが多くなったため得点も奪えず、次第に疲労の色が濃くなり、89分には冨安健洋が大会通算2枚目のイエローカードをもらってしまいます。そしてスコアレスのまま延長戦に突入しました。

4バックの相手に対してより強く深く攻め入るべく、三笘薫がピッチに送り込まれたのは延長前半の頭からでした。中盤でタフな仕事をしていた田中碧を下げて、勝ち上がれば次はセンターバックでの起用が濃厚な板倉滉も同時に入ります。

その延長前半には日本のボックス内でウッドが結果的にスルーした形になったボールが、途中投入のエライジャ・ジャストにフリーの形で渡ってしまうも、ジャストがバランスを崩してシュートを打てなかったため最悪の事態は回避できました。

以降は両者決め手を欠いてPK戦に突入。ニュージーランドの2人目リベラト・カカーチェのキックを谷が止め、3人目のクレートン・ルイスも外したため、日本が勝ち抜けました。