前節、大邱FCを下してグループステージの目標を達成した川崎は、山村和也をゲームキャプテンとして大幅にメンバーを入れ替えて臨みました。週末に清水エスパルスとのリーグ戦、その後に天皇杯を控えている中での鬼木達監督の選択でした。

出場した選手に気負いや空回りといったものはまったく見られませんでした。とはいえ、プレッシャーの少ないセンターバックからの球出しを起点にサイドに偏りがちになっていた攻撃のバリエーションの部分や連携面では個性の強いファーストチョイスの面々と比べると物足りなさはあったものの、結果的に前後半に2点ずつ奪って勝利を収めました。

フル出場した中で際立っていたのは、ゴールを含め3得点に絡んだウイングの宮城天とプレースキッカーを任されて68分にはフリーキックからオウンゴールを誘発した小塚和季です。小塚はその前に紛れもない自身によるゴールを決めており、インサイドハーフとして中盤での散らし役としても貢献しました。

残り10分を切ってからは、足をつらせた知念慶に代わってレアンドロ・ダミアンが入ったのを皮切りにアンカーとして谷口彰悟、そして家長昭博が加わり、チームの色合いを変えて試合をクローズしました。

幸いなことにこのゲームでは特段目立った負傷者は出ずに済み、北京のシュートは81分の1本しか与えていません。ベンチ外で休養を与えられたチョン・ソンリョンに代わって最後尾で構えた丹野研太が慌てるシーンはありませんでした。

最終戦も勝ったことによって、グループステージ6試合全勝での首位通過を決めました。東京オリンピック後、シーズン後半になると等々力陸上競技場が使えないためアウェイゲームの続くリーグ戦に加え、ルヴァンカップも日程に組み込まれる過密さを考えても、たくさんのプレーヤーが試合に絡んで戦い抜けたことはプラス材料となるでしょう。