前節の北京FC戦同様の大勝でしたが、今回の川崎は最後までゴールに貪欲な姿勢を見せました。

34分に大島僚太のコーナーキックを起点に谷口彰悟がフリックして三笘薫が先制するまでは、相手の整えられた5-4-1の守備網攻略に手を焼きます。最終ラインが5枚できっちり埋められていたため、外回りの攻撃も前線で詰まっていました。

ゆえに谷口が一気に前線に蹴り込んだり、大島が狭いところから鋭いパスを出したりするなど工夫をして打開を図ります。そうした中でセットプレーを獲得しました。

大島は前半だけで退きましたが、復活を強く印象付けた得点の場面は、レアンドロ・ダミアン の落としを受けてサイドに展開するかのような態勢からゴールに突き刺してみせました。

後半は今シーズンからの新戦力の躍動が見られました。とりわけフル出場を果たした橘田健人の働きは見事でした。

シーズン当初はボールへの絡みも少なく、やや遠慮がちに見えた背番号22は、精力的にピッチを動き回りハットトリックを達成。残り15分ほどのところでインサイドハーフから右サイドバックに回っても運動量は衰えませんでした。

リードしていて余裕の試合運びができたのも要因でしょうが、鬼木達監督の采配も巧みでした。前節休めたジェジエウと3トップはフル出場させつつ、交代ごとに盛んに選手のポジションを変えていきました。そうして生まれた健全な競争下で崩れることなく選手が期待に応えたのです。

終わってみれば8-0。アディショナルタイムには脇坂泰斗が決めて試合を締めくくりました。

チーム状態は非常によく、中弛みもありません。3日後の再戦にも大いに期待が持てるゲームでした。