日本代表とU-24日本代表に主力5人が招集されて不在の中、チームの総力を結集して一時は開催が危ぶまれた試合を戦い抜きました。

立ち上がりは横浜FCが積極的に前からプレスをかけてきましたが、5分もすると川崎が後方で余裕をもってボールキープできるようになります。相手の最終ラインが高いので、その背後を狙うなどしてチャンスをうかがいました。

長谷川竜也のゴールがオフサイドで取り消されたり、南雄太の逆を突いた脇坂泰斗のフリーキックが枠を外れたりしながら少しずつ横浜FCゴールに迫ります。

39分、ジェジエウが相手陣内まで持ち上がったことで先制点につながります。パスを受けた家長昭博がクロスを入れると伊野波雅彦がクリア。しかしそのボールが古宿理久に当たってこぼれます。そこに素早く反応した小林悠がゴールへとねじ込みました。ラッキーな形ではありますが、前半のうちにリードを奪います。

先制したことで横浜FCのラインが下がり、加えて自陣でのミスも見られるようになり、川崎がバイタルエリアでボールを握る時間が長くなって心理面でも優位に立ったはずでした。ところがハーフタイム明けにリセットされてしまいます。

ボックスの中まで進入されてピンチを迎えるシーンこそほとんどないものの、次第にホームチームが主導権を握る時間が増え始めました。山根視来に代わって右サイドバックを務め、危なげないプレーに終始していたはずのイサカ・ゼインが軽率なアウトサイドキックでミスをする場面もありました。

それでも67分、脇坂がアウトサイドキックでスペースに絶妙なボールを入れると、長谷川が受けてファーサイドの小林にラストパスを送ります。小林はジャンプしながらボールに足を合わせて追加点を奪いました。

以降はベンチに控えているメンバーをピッチに送り込む流れとなり、任されたのはアンカーではないものの塚川孝輝が痛いミスをしたベガルタ仙台戦以来の出場となり、ほんのわずかな時間とはいえ神谷凱士もJ1デビューを果たしました。

次の清水エスパルス戦まで1ヵ月半、ウズベキスタンで集中開催となるAFCチャンピオンズリーグ出場のためリーグ戦はしばらく間が空きますが、いい形で終えることができました。