谷口彰悟、そして前の試合でどことなく左の鎖骨を気にする素振りを見せていた登里享平がベンチスタートとなり、レアンドロ・ダミアンがゲームキャプテンを務めることとなりました。スタメンには同じく副キャプテンの脇坂泰斗もいましたが、背番号9がキャプテンマークを巻いて試合に臨みます。

序盤は名古屋グランパスとの連戦の影響か、ジョアン・シミッチを筆頭に自陣でパスが引っかかるケースがしばしば見られ、川崎はリズムをつかめずにいました。そこでしばらくして中途半端に相手に渡すよりはと、後方からの大きなサイドチェンジを用いる戦いに変更します。

ピッチの幅を存分に使い、相手を動かすことで消耗させ、ゴールへの道筋を探りました。

均衡が破れたのは41分でした。自陣でのボール回収から一気に攻撃に転じると、脇坂がセンターバックとサイドバックの間にパスを通し、長谷川竜也がそこに走り込みます。懸命に長谷川についていった佐藤瑶大がバランスを崩し、ボールに足を当ててしまい、ボールがレアンドロ・ダミアンのもとにこぼれます。レアンドロ・ダミアンは力強く蹴り込んで先制点を奪いました。

後半も脇坂のきわどいシュートがポストを叩くなどチャンスはつくれていましたが、決定機も東口順昭の好セーブが続いたため追加点が取れず、時間の経過とともにガンバに主導権が移りかけます。

流れの悪いところで鬼木達監督は登里と三笘薫を投入。一方の宮本恒靖監督も中盤の活性化を図るため矢島慎也と倉田秋を同じタイミングで入れます。

次の1点をかけた戦いは川崎が制しました。両者が動いてから6分後、旗手怜央が体を張ってボールを奪ったところから始まり、登里の背後を突いたパスが三笘に渡り、三笘はそのままドリブルでゴールまで持っていきました。三笘らしさが久々に発揮されたシーンでした。

残り時間15分を切った段階でリードを広げ、川崎はいくらか余裕をもって戦えるようになりました。それでもレアンドロ・ダミアンは疲労の色こそ隠せないもののファイティングポーズはとり続けており、守備時には自陣に下がってにらみを利かせます。また87分にベンチに下がってからも戦い続けました。

アディショナルタイムのカウンターでコーナーキックのために上がってきた東口のいない無人のゴールに決めることはできませんでしたが、川崎はボールキープをしながら時計を進めます。

結果、クリーンシートで試合を終えることができ、勝ち点を41に伸ばしました。