前回対戦から中4日しかないこと、そしてそのときに72分に三笘薫を脇坂泰斗に代えるまでスタメンを引っ張ったことを考慮すると多少の変更も考えられましたが、鬼木達監督は5日前と同じ11人をピッチに送り込みました。

対する名古屋は前回途中からチームの安定につながった4-3-3の形を継続して採用。前回からスタメンを4人代えて臨んできました。

川崎は立ち上がりから畳み掛けることなく、多くの試合で見せるように相手の出方をうかがう形で入りました。リベンジに燃える名古屋がどう出てくるか。それを見極める時間を設けました。

名古屋は中央の守備を固めて、右の成瀬竣平と前田直輝、左の吉田豊とマテウスのサイドを使って川崎陣内に攻め込んできます。しかしホームチームは得点を許さないまま飲水タイムまで乗り切りました。

先制点は田中碧のコーナーキックをジェジエウが合わせて生まれましたが、そのコーナーキックをもたらしたのはジョアン・シミッチの展開力でした。稲垣祥の監視から少し離れて繰り出したサイドチェンジが懸命にトラップした登里享平に渡り、レアンドロ・ダミアン、三笘を経由してゴール前まで運んだのです。

難しいゲームでリードを奪えたことでリズムを取り戻し、ハーフタイム明けには三笘が成瀬を引き離して体勢を崩しながらクロスを入れ、ボックスの中で待っていた山根視来がダイレクトで合わせます。

三笘は前半、中盤ではドリブルで相手を剝がしていましたが、決定的なシーンでの突破はなく、50分になってようやく大事な局面でアシストを決めました。

さらに谷口彰悟の前方に蹴ったボールを収めた丸山祐市がミチェル・ランゲラックとの連携ミスでオウンゴールを献上する形になり、川崎としてはラッキーな形で点差が広がりました。

前回が4得点、ホームの今回が59分までに3得点。名古屋に対して優位に立ったと判断した鬼木監督は、早速今後を見据えてメンバー交代を行います。しかし、前線の家長昭博とレアンドロ・ダミアンを下げて遠野大弥、知念慶を入れた采配が裏目に出ます。

AFCチャンピオンズリーグやルヴァンカップにおけるホームアンドアウェイでのノックアウトラウンドならば2戦合計で7点リードとなりますが、これは長いリーグ戦の中の1試合。名古屋の選手はまだあきらめておらず、また早々にメンバーを代えられたことで火が付いたかもしれません。

新型コロナウイルス感染症のため不在のマッシモ・フィッカデンティ監督に代わって指揮を執るブルーノ・コンカコーチも攻撃的な選手を次々と投入。名古屋に勢いが生まれます。マテウスを軸に攻め立てて2点を奪い返したのです。

選手を入れ替えて決定的なチャンスをつくれなくなった川崎は、終盤に車屋紳太郎、塚川孝輝を入れてディフェンスを強化し、逃げ切りを図ります。60分の段階では予想しなかった展開です。

カウンターを実行できる局面でも相手陣内のコーナーフラッグ付近でボールキープを選択。泥臭く勝ち点3を取りに行きました。

同点に追い付かれた場合、勝ち点1を分け合う格好にはなりますが、川崎のダメージは大きく、逆に名古屋は勢いづいて今後の戦いに臨むこととなります。シーズンの流れを考えても、ここは守り切る必要がありました。

5分のアディショナルタイムを必死に戦い、逃げ切りに成功。辛くも連勝で首位攻防戦を終えることができました。