FC東京戦からスタメンを5人入れ替え、ジョアン・シミッチがベンチ外になったアンカーには田中碧を置いて臨んだ一戦。前半のラストプレーでエミル・サロモンソンの素晴らしいフリーキックによって同点に追い付かれたあと、雷雨によって20分ほどハーフタイムが延びましたが、アクシデントにも左右されることなく勝利を収めました。

長谷川竜也と小林悠もチャンスをいくつかつくりましたが、この試合で結果を出したのは、昨シーズン武者修行をして戻ってきた遠野大弥と知念慶でした。遠野は思い切りよく右足を振り抜いて、知念はボールのコースを見極めて得点を奪いました。

一方、田中はインサイドハーフで見せているダイナミックさを失わないプレーでチームを支え、脇坂泰斗はボール付近に頻繁に顔を出してつなぎ役を果たします。

先発メンバーを70分以上引っ張ってから、鬼木達監督はメンバー変更を行います。まず両ウイングを家長昭博、三笘薫に代え、79分には大事を取って登里享平を下げてジェジエウ、そして遠野に代えて塚川孝輝を入れます。これで田中がアンカーからインサイドハーフにポジションを上げました。

終盤でのジェジエウの投入は、最終ラインに強さと安定感が増します。背番号4は最終ラインからのロングボールでパワープレーを仕掛けてきた福岡を跳ね返す役割を全うしました。

82分にはレアンドロ・ダミアンまでもがピッチに入り、後半アディショナルタイムに山根視来の得点につながるラストパスを出します。残り時間が少なくなってからの川崎はキープすると見せかけて福岡ゴールに向かって攻める場面をつくっており、ここも山根が一度はドリブルを緩めてサイドに流れる素振りを見せました。

終わってみれば現時点でのファーストチョイスと言えるメンバーの多くがピッチに揃っていました。現状、特例で5人まで交代できるレギュレーションを最大限活用しているからこそ、こうした盤石の戦いができています。

ともあれ、無敗を継続したまま連戦最後のサンフレッチェ広島戦を迎えることとなります。