山根視来がボールを奪った直後に倒されてフリーキックを獲得。ジョアン・シミッチがクイックリスタートしたボールをレアンドロ・ダミアンがフリック。背後に抜け出した三笘薫がフィニッシュ。一連の切り替えの早さは見事でした。ただし、判定は三笘のオフサイド。前半の飲水タイム前に試合を決めるような3点リードとはなりませんでした。

開始17分までの家長昭博の2ゴールもそうでしたが、川崎は終始、東京のビルドアップ時であっても自分達のターンになったときのことを考え、貪欲にプレーしていました。

だからこそ永井謙佑のスピードを生かした攻撃で、アダイウトンに1点差に詰め寄られる得点を決められても、すぐさま再度2点リードにすることができたのです。

このときは丹野研太がボールをキャッチした位置が、スタンドから見て微妙だったところから始まります。会場の動揺が影響してか、東京の選手は動きを緩めかけますが、川崎はそのまま攻撃を進めました。

左から右へボールを動かし、家長と絡んで山根が右サイドを突破して入れたクロスは、一旦は中村拓海が防いだものの、トラップしたボールが浮いたところを三笘がさらってシュートまで持っていきました。

さらに75分には脇坂泰斗のフリーキックを谷口彰悟が折り返し、この日2アシストを記録していたレアンドロ・ダミアンがゴール。コーナーキックのほとんどが児玉剛に難なくキャッチされていた展開でしたが、セットプレーからも1点をもぎ取ることができました。これで3トップ揃い踏みです。

ここでの1点が大きく、84分の高萩洋次郎の絶妙なアシストによる失点も大勢に影響はありませんでした。最後は3トップをそっくり交代させて試合をクローズします。こうして今回の多摩川クラシコも勝利で終えることができました。