相手DFが寄せてくる中、足裏でのファーストタッチでボールをコントロールしてからの三笘薫のシュート、ペナルティエリア手前という直接狙うには難しい位置から鮮やかにねじ込んだ田中碧のフリーキック。いずれもすばらしいフィニッシュで2ゴールを奪って勝利した川崎。そのどちらにも絡んだのが背番号10、大島僚太でした。

動きを見る限りはまだ100%のコンディションにないように感じられますが、スタメンで出られるまでに回復した大島は重要な場面で決定的な仕事をしました。三笘のゴールをお膳立てし、追加点に結び付くフリーキックを獲得したのです。それ以外でも家長昭博のジャンピングボレーにつながる絶妙なパスを繰り出しました。

その大島をフォローする役割を果たしたのが、田中碧と守田英正でした。一緒に中盤を任された2人は、相手を外しつつバランスをとりながら広範囲を動き回って好守両面でチームを支えました。

そして同じく復帰組となるのが車屋紳太郎です。この日の先発は難しかったため、登里享平が離脱している中、最初は旗手怜央が左サイドバックを担当しますが、リーグ戦ほどのパフォーマンスができなかった旗手に代わって67分に登場してからは本職ならではの安定したプレーを披露しました。

J3を制した秋田が堅実に守っていたため、現時点での最強布陣によるJ1王者の圧倒的な強さ、貫禄を披露するには至らず、2点目を取るのも83分までかかってしまいました。ゆえに試合の行方が決まってからの投入が予定されていたと思われる中村憲剛の出番も短くなりました。

とはいえ、ノックアウト方式の天皇杯。どういう形であれ勝つことが重要です。タイトルのためには勝ち続けなければ意味がない大会ですから、決勝のガンバ大阪戦も同じように戦っていくしかありません。

大島、車屋の復帰、そして危なげなくシュート1本に抑えて公式戦では1ヵ月ぶりに完封した守備陣。国内でまだ獲得していないタイトルに向けての好材料は揃っています。