11分に興梠慎三にPKを決められ、ここ2試合の悪い流れを引きずるような立ち上がりとなりましたが、終わってみれば今シーズンの川崎らしい逆転勝利でタイムアップを迎えました。

前半は三笘薫を中心に攻めつつ、コーナーキックからジェジエウのヘディングで二度惜しい場面がありましたが無得点に終わり、ハーフタイムでの修正を余儀なくされました。後半になってからの川崎はセカンドボールへの意識が高くなってボール回収に成功する数が増え、また攻撃時には中盤の選手もより積極的にゴール前に顔を出すようになりました。

後者に関しては、前半は小林悠が孤立する場面が多く、サイドを使って浦和ゴールに近づいてもそこからの展開に苦しんでいました。加えて早い段階でリードしたことで浦和がブロックを形成し、押し込まれるとボックスの中に人数をかけて守っていたため、たとえクロスを上げたとしてもはね返されるばかりで、小林一人ではいかんともしがたい状況でした。

メンバー交代を行わず、意識づけの変化によって川崎は息を吹き返します。53分、アンカーとしてこの日はビルドアップ時にセンターバックの間にしきりに下りていた守田英正が、ペナルティエリアの手前から美しいシュートを放ち、同点に追い付きました。守田にとってはJ1初ゴールでした。

得点を取られたことで浦和は攻めに出ていくようになります。必然的にこれまでとはバランスが変わり、スペースが生まれやすくなるため、川崎の攻撃力が存分に発揮されていきます。

59分には三笘が新人選手の最多得点記録に並ぶゴールを奪います。山根視来のクロスが上がると小林が相手DFを引きつけたため、フリーの三笘は冷静にかつ丁寧に頭を合わせることができました。

とどめは中村憲剛のターンしながらの絶妙なラストパスから生まれます。小林は大事なボールを渡すまいと、橋岡大樹より一歩先にボールに触れるべく体を投げ出して合わせました。リーグ戦では現役最後のホームゲームとなるこの試合で、川崎のバンディエラは自身のクオリティの高さをピッチ上で表現してみせ、小林がそれに応えました。

残り時間は30分ほどありましたが、そこからの川崎はボール支配を強めます。強引な崩しが必要なくなったため、サイドで細かなパス回しを続けて浦和を焦らせます。

こうして危なげなく逃げ切りに成功し、チャンピオンチームの強さを見せつけました。