互いにシュートを打ちあった試合は、開始2分、広島が茶島雄介のすばやいスローインから決定機をつくったように、川崎も最後まで集中を切らさずに得点を重ねて勝利をものにしました。

先制点は旗手怜央、三笘薫が入った直後でした。家長昭博がインサイドハーフにポジションを移し、広島としては配置の確認が必要とされる場面ではありましたが、その余裕を与える前に登里享平が森島司をはがして左サイドをドリブルで駆け上がります。登里は一度中央を確認してからレアンドロ・ダミアンへの完璧なクロスを入れます。背番号9はきっちりと頭を合わせてゴールネットを揺さぶりました。

後半アディショナルタイムの2点目もしかり。同点に追い付きたいとはやる気持ちを抑えられない広島に対し、家長が右サイドを持ち上がってファウルをもらいます。そのリスタートで広島陣内に人数をかけ、旗手が体勢を崩しながらマイナスのパスを出して三笘がフィニッシュ。ファーサイドは相手選手がおらず、がら空きでしたが、三笘はニアサイドを突いて打ちました。

そのほかにもチョン・ソンリョンからレアンドロ・ダミアンへの一気のパスで広島ゴールに迫るシーンが前半にありました。帰陣されて5-4-1のブロックで構えられると攻略が難しい中、相手が攻めた後を抜け目なく突いた形です。

松本大弥とエゼキエウが同時投入された73分から約10分間は広島に押し込まれ、前節のベガルタ仙台戦同様に苦しい終盤となりますが、小林悠投入で一旦流れを引き戻しました。

ただ、その小林がピッチに入ってすぐに接触のない場面で負傷。チームトップの12得点を挙げるエースの離脱は、レアンドロ・ダミアン、三笘薫という別の得点源を持っている川崎であっても、今後に向けての大きな不安材料と言えます。

ともあれ最後まで油断のできないゲームをクリーンシートで終えたことで、シーズン2回目となる10連勝を達成しました。次は前回の連勝を止められ、今シーズンのリーグ戦で唯一の黒星をつけられた相手、名古屋グランパスとの対戦です。