ルヴァンカップ準決勝敗退を引きずるような悪い流れをつくらないためには重要な一戦でした。それだけに1-0で逃げ切ったことは非常に大きかったと言えます。

この日の中盤には、インサイドハーフでの起用が増えていた田中碧が久しぶりにアンカーを任され、その前に大島僚太と中村憲剛が並びました。3人とも攻守両面での働きが申し分なくできることもあり、田中碧が前線に飛び出すシーンも見られました。

試合は時間の経過とともに川崎が主導権を握り、サイドで立て続けにショートパスをつないで仙台を翻弄します。ただ得点だけは遠く、大島が右サイドから繰り出した絶妙なパスに合わせた小林悠のシュートもヤクブ・スウォビィクとポストに阻まれました。

膠着状態が続き、先制点が生まれたのは41分でした。これまでおもしろいように突破できたドリブルが研究されつつある三笘薫が仕掛けると見せかけてスルーパスを出し、それを受けた小林がシュートをねじ込みました。

後半は決定機こそつくれるものの追加点は奪えません。ペナルティエリア手前からの中村のフリーキックも、車屋紳太郎のクロスに小林がセンターバックと駆け引きしながら合わせたシュートも枠に嫌われました。

鬼木達監督は67分に家長昭博、齋藤学を入れててこ入れを図ります。対する木山隆之監督は71分に田中渉とともに長沢駿を送り込みました。前線はアレクサンドレ・ゲデスと長沢の2枚が立つこととなり、そこからは仙台の流れに変わります。

三笘との勝負に勝ってきた柳貴博、そして道渕諒平が川崎の左サイド深くに進入。ゴール前にラストパスを供給します。幸い、フィニッシュの精度を欠いたために事なきを得ますが、いつ失点してもおかしくない時間が最後まで続きました。

終盤は中盤の3枚を田中碧、守田英正、下田北斗で構成しつつ苦しい時間帯を凌いだことで、2位以下の上位陣が直接対決でつぶし合う中、勝ち点3を上積みすることに成功しました。