連戦の一区切りとなるこの一戦は、チーム全員がグループの中でそれぞれの与えられた役割を果たし、戦況を読みながらメリハリをつけてタイムアップまで戦い抜きました。

広島がブロックをつくり、ハイプレスを仕掛けてこないと見るや、最終ラインでゆっくりと回して隙を伺います。そして人数をかけられているアタッキングサードでは一気にスピードを上げてゴールに迫りました。

先制点は右のハーフスペースをすばやいパス交換で打開。最後は田中碧がクロスと見せかけて、ニアを打ち抜くシュートを放ちました。膠着した状態が続きそうに見えた試合が動きます。

アンカーの守田英正が好調を維持しているため、この日の田中はインサイドハーフでの起用となりましたが、ボール奪取能力の高さ、危機的状況でのシュートブロックの的確さといった守備者としての働きも光りました。

飲水タイム後は多少我慢の時間が続いたものの、大島僚太、三笘薫を入れたハーフタイム明けはすぐさま勝負に出ます。

前半、車屋紳太郎がマッチアップで苦労していたハイネルに対し、三笘は1対1で翻弄。ボックスの中まで進入してレアンドロ・ダミアンの追加点をお膳立てします。

レアンドロ・ダミアンはこの1ゴールにとどまりましたが、相手陣内でのハイプレスや川崎にとって大切なボールを小気味よくつなぐプレーで、71分までチームに大きく貢献しました。

コーナーキックからの流れで生まれたチーム3点目となる山村和也のミドルは、三笘が相手DFを引きつけたことでシュートコースが生まれました。後半開始からわずか5分で2点奪取に成功します。

直後に城福浩監督が茶島雄介とエゼキエウを同時投入して、ビハインドを跳ね返しに出てきた際には、それを逆手にとって広島の陣形が整わないうちに齋藤学、田中と渡り、試合を決定づける4点目を奪います。

90分に浅野雄也にゴールを許したものの、その2分前に小林悠のPKでとどめを刺しており、大勢に影響はありませんでした。

チーム一丸となっての無駄のない戦いぶりで見事な快勝を成し遂げ、ようやくミッドウィークに試合のない1週間を送ります。