清水が恐れずボールをつなぐサッカーをすることから、比較的フレッシュな面々を揃えた川崎は前線からプレスをかける戦い方を選択します。これによって清水は自陣でミスを連発。川崎は次々とマイボールにしていきました。

川崎がビルドアップをする際、前半の清水は川崎のようにはプレッシャーをかけず、ミドルゾーンで待ち構えていました。おかげでセンターバックの山村和也、車屋紳太郎、さらにアンカーの守田英正から前線に展開するミドルパスを多数供給することができました。

受け手となる選手は最終ラインの背後を狙って走ります。ウイングの宮代大聖、齋藤学のみならず、インサイドハーフの旗手怜央、下田北斗も機を見て上がる姿勢を見せました。

こうした厚みのある攻撃の結果、90分を通じて33本のシュートを浴びせます。前の試合で開眼した旗手の2ゴール、そして3点リードした77分にピッチに入り、長期離脱から復帰を果たした中村憲剛の得点はいずれも相手のミスに乗じて挙げたものでした。

旗手が結果を出したのに刺激を受けてか、同期の三笘薫も奮起。名古屋グランパス戦で負傷しても調子を落とすことなく、ヘナト・アウグストにコースを防がれ、一度体勢を崩しても立て直してチームの5点目を奪います。

ディフェンスに関しては、守田が相手の攻撃を遅らせる働きをしていたものの、前半は中盤がややルーズになり清水に前進を許してしまいました。この点はハーフタイム明けに修正がなされ、相手ボールの際には多少人を見る形に変えました。

それでもシュートを打たれるピンチはありました。そこはチョン・ソンリョンの好セーブがチームを救います。守護神の安定感なくして、クリーンシートは達成できませんでした。

直近2試合は苦しい展開・結果となって迎えたこのゲームでしたが、最終的には5-0の圧勝に終わります。

会心の勝利を挙げたタイムアップ直後、中村憲剛は無事にプレーを終えた喜びと感謝を表すように痛めていた左膝を両手でなでました。ピッチを走る姿は、まだ両足で感触を確かめている風でしたが、背番号14の復活はチームに非常に大きな影響をもたらすはずです。