昨シーズンのホーム最終戦で川崎の右サイドを攻略していた選手にまたしても苦しめられます。当時、横浜F・マリノスの一員だったマテウスです。今回はコーナーキックで直接チョン・ソンリョンを脅かすにとどまらず、44分に絶妙なピンポイントクロスを上げました。

その先にいたのは金崎夢生。ポストプレーでは泥臭く動いてファウルを誘わんとする金崎に対しては極力クリーンな対応を心がけていた川崎ですが、この場面ではフリーになられて今シーズン初ゴールを献上してしまいます。

前半は互いにチャンスをつくるオープンな入りとなりましたが、このゴールで先制した名古屋は後半からカウンター狙いに切り替えました。

マッシモ・フィッカデンティ監督のもと構築された守備網は強固でした。中谷進之介、丸山祐市らから持ち前の破壊力を警戒された川崎は、シュートを打つ積極性を欠いた、というよりシュートを打たせない守り方を相手にされてしまいました。

連続してゴールを重ねて好調な三笘薫でさえ、ペナルティボックス近辺でシュートではなく変化をつけたアウトサイドのパスを出すなどしていました。

一方、ハーフタイム明けに投入された旗手怜央は、試合にうまく入ることができ、果敢にゴールを狙うもこちらは相手にブロックされてしまいます。

とにかく脅威を与えるような効果的なボールがミチェル・ランゲラックにまで到達しないのです。これでは同点に追い付くことすらかないません。

加えて三笘が稲垣祥との接触を嫌って負傷。長谷川竜也の不在を感じさせない活躍をしていた23歳の離脱はチームにとって大きな痛手となります。

結局、序盤のビッグチャンス以外は攻撃面でいいところがなく、名古屋にウノゼロで逃げ切られてしまいます。連勝記録更新はなりませんでした。この敗戦を引きずらないためには、水曜日に迫るヴィッセル神戸とのアウェイゲームに勝ち切るしかありません。